Garoon

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店舗の業務改善に「Garoonログ解析レポート」を活用

株式会社マルハン 様

業種
サービス
都道府県
東京都
利用人数
3600名
形式
クラウド版
導入前の利用製品
パッケージ版 Garoon
導入パートナー
富士通Japan株式会社

パチンコホール「マルハン」を中心とした総合エンターテイメント企業である株式会社マルハン。約4000人が所属する東日本カンパニーでは、2022年に「マルハンファンの創造~全従業員が顧客接点を大切にする~」という本部方針を掲げました。この方針を実現するためにGaroonの利用状況を解析できる「Garoon ログ解析レポート」を活用。デスクワークの最適化、店舗の業務効率化につなげました。施策の全体について、本部と店舗の混合チームである「人事タスク」に所属する東日本カンパニー営業推進部 小原工さん、厚木店 店長 山口健二さんに伺いました。

INDEX.01 課題

デスクワークの実態が分からない

机に座り真剣に話をしている青いシャツを着た男性。

東日本カンパニー 営業推進部
小原工さん

「マルハンファンの創造~全従業員が顧客接点を大切にする~」という本部方針を実現するために施策を主導したのは、本部と店舗の混合チームである「人事タスク」です。営業推進部の小原さんをはじめとしたチームメンバーは「顧客にファンになっていただくためには、まず店舗のマネージャーが現場に出る時間をもっと増やしたい」と考えました。実際にマネージャーは日々の業務に追われています。そこで「人事タスク」ではまず、店舗業務の棚卸しを行うことにしました。

棚卸しの結果、デスクワーク業務をもっと効率化できそうだという仮説が出てきました。以前から、本部から店舗への連絡事項の多さが懸念されており、「店舗マネージャーのデスクワークの時間が多すぎるのではないか」「マネージャーももっと現場に出るべき」という声もあがっていたのです。とはいえ、実際にどれくらいの作業時間がとられているのか、実態は分かっていませんでした。  店舗のデスクワークは主に Garoonが使われているため、Garoonの利用状況を分析できる「Garoonログ解析レポート」を利用し、実態把握を進めることになりました。

INDEX.02 ログ解析結果

Garoonの利用状況を定量的に把握できた

「Garoonログ解析レポート」には各アプリケーションの利用状況などのデータが見られる「定型レポート」と、お客様のご要望に合わせたレポートが作成できる「カスタムレポート」があります。マルハンでは「定型レポート」に加えて、「カスタムレポート」も利用し、分析を実施しました。具体的には本部と店舗間のコミュニケーション数、個人別 / 部門別 / エリア別 の利用時間、メッセージの閲覧数と送信数、スペースの閲覧数と送信数などを分析しました。また、店舗別の利用時間に特化した分析も行いました。分析結果の一部をご紹介します。

1. Garoonで何をしているか

アプリケーションごとに利用状況を見ると、社外との連絡に使うEメールの利用以上に、社内での連絡に使うメッセージやスペースの利用が多いことが分かりました。その際、返信を含む書き込みなどはせずに閲覧だけして閉じているケースが90%以上であることも分かりました。

利用ユーザーごとに、各操作(メッセージ閲覧、スケジュールなど)の操作回数が記載された表

ユーザー別の各アプリケーションの利用回数(1行が1ユーザーの利用状況)。 メッセージとメールの利用が多い。

2.どのくらい時間を割いているか

次に、デスクワークの中心となるGaroonの利用時間を集計しました。1ヶ月1人あたりの業務時間を 165時間とすると、その18%にあたる約30時間はGaroonを利用していることが分かり、利用時間を定量的に把握できました。

2022年5月のGaroonの利用時間が、ユーザーごとに書かれたグラフ。

2022年5月のGaroonの利用時間。1人あたり平均 30時間/月 Garoonを利用していることがわかった。

3.連絡先は適切に絞り込まれているか

Garoonの利用時間が多い原因について、本部から店舗へ連絡を送る時に連絡先を適切に絞り込んでおらず、本来連絡する必要のない人にもメッセージを送っている部署があるのではないかという仮説がありました。このようなケースが多ければ、該当部署に注意を促すことで、店舗のデスクワーク時間を削減することができます。そこで、横軸を本部の部署、縦軸を現場の店舗とし、連絡数のクロス集計表を作成しました。しかし結果を見ると、各部署の特性や店舗の状況を考えると連絡数は適切である、という考察に至りました。

部署を横軸、店舗を縦軸とした連絡数のクロス集計表

部署を横軸、店舗を縦軸とした連絡数のクロス集計表。連絡範囲が適切かどうかを分析するために、店舗との連絡件数が多い本部部署を明らかにしたが、各店舗と各部署の間の連絡件数に特別な問題(異常値など)は見当たらなかった。

4.店舗によって利用時間に差があるか

突出して利用時間が多い店舗が無いかを調べるために、店舗ごと、ユーザーごとの利用時間も確認しました。しかし集計結果を見ると、利用時間に多少のばらつきはあるものの、どの店舗でも30時間前後の利用で、突出して利用時間が多い店舗はありませんでした。

1人あたりのGaroonの利用時間が店舗ごとに並べられたグラフ。突出して多い店舗はない。

店舗ごとの利用時間。どの店舗でも30時間前後の利用で、突出して利用時間が多い店舗はなかった。

INDEX.03 対策の検討

店舗マネージャー自身で目標設定
全社向けマニュアルも作成

「Garoonログ解析レポート」の結果を受けて、「人事タスク」では、店舗のマネージャー層に働きかけて業務時間の配分を主体的に見直してもらう必要があると考えました。ただし、その際にデスクワークの効率化だけにとらわれず、本来の目的である本部方針に当事者意識を持ってもらうことを主眼としました。まず具体的な数値をもとに、店舗のマネージャー自身で目標設定を行いました。その際、本部から現場に下りてきた施策と受け取られないためにも、当初から「人事タスク」に所属する店長3人と施策の検討を進め、店長から店長へと横に伝達する形で広めていきました。

マルハンの制服を着た男女5人が、会議室でホワイトボードを見ながら打ち合わせをしている写真

目標設定を行った、店舗マネージャーのミーティング(2022年9月〜10月)

目標について話し合った結果、Garoonの利用スキル向上やルール策定の部分に改善の余地があるとの結論に達しました。そこで、Garoonの製品サイトやヘルプを活用しながら全社向けマニュアルを作成し、勉強会を実施することになりました。「Garoonログ解析レポート」によってどの操作がよく行われているか把握できていたため、マニュアルを作るときにも役立ちました。

この時を振り返り厚木店 店長の山口さんは次のように話します。「 Garoonは直感的に使えるため、利用ルールが無いままでも 10年以上使い続けることができていました。ただ、人によって使い方がバラバラになっていたんです。Garoonの使い方や機能を全社員が改めて知り、店舗での使い方にガイドラインを設ければ利用効率が上がると思いました。
今回は全社の利用ルールとしてマニュアルを作成しましたが、強制的にマニュアル通りの使い方を浸透させようとは考えていませんでした。店長たちの目標を本部がサポートするという形で作成したことで、店舗からも歓迎され、勉強会も積極的に参加してもらえたのだと思います。」

机に座り真剣に話をしている白いシャツを着た若い男性。

東日本カンパニー マルハン厚木店 店長
山口健二さん

INDEX.04 改善結果

店舗マネージャーが顧客接点の創出を意識するように

マニュアル作成や勉強会などを実施したあとに、再度Garoon利用時間の分析を行いました。施策実施前後で比較したところ、過半数の店舗でGaroonの利用時間が削減できていました。一方で、もともと利用時間が少なく施策後に利用時間が増えた店舗もありましたが、勉強会で学んだ機能やルールを適切に利用し始めた結果が反映されている可能性を考慮すると、ネガティブな結果では無いと考えました。
「各店舗、時間や Garoonの使い方を意識して効率化できていると感じましたので、利用時間の増減のみに目を向けるのではなく、定性評価での振り返りも重視しました。」と小原さんは話します。

改善前と改善後の、店舗別のGaroon利用時間の表が掲載されているスライド

店舗別のGaroonの利用時間の変化。

改善目標と振り返り結果をまとめたスライド1枚目

顧客接点の創出について具体的な目標を決め、振り返りを行った。

改善目標と振り返り結果をまとめたスライド2枚目

Garoonの利用時間削減について具体的な目標を決め、振り返りを行った。

振り返りでは、「時間の使い方を意識したことで、お客様と直接お話する時間を作ることができた」「スタッフへの指導機会を増やすことができた」など、マネージャー各自が自発的に目標に向かって動いている姿が目立つようになりました。また、Garoon の利用ルールを意識したことで、「溜まっていた情報を整理できるようになって精神衛生上も良い状態になった」「情報の抜け漏れも無くなり、コミュニケーションの質まで上がった」といった報告も多く上がってきました。

ポイント

  • 「Garoonログ解析レポート」を活用して、デスクワークの状況を定量的に分析し、課題を洗い出した
  • 本部の方針を現場の具体的な施策に落とし込み、店舗のマネージャー自身が主体的に取り組んだ
  • Garoonの利用マニュアルの作成、勉強会を通して、店舗業務の見直しを行った
  • 計画から実行・振り返りまでを4ヶ月で実施し、各店舗での行動変容に繋がった

「Garoonログ解析レポート」の効果について小原さんは「実際の数値をもとに議論できたことで実態を正しく把握することができ、店舗のマネージャーも主体的に施策に取り組んでくれました。顧客接点の創出という本部目標に対する意識改革という面でも、一定の成果が得られましたね。」と振り返ります。また山口さんも「Garoonの利用時間は『多い」という感覚値しかありませんでしたが、実際の数値が分かったことで、店舗のマネージャーの時間に対する意識が変わりました。数値から分かる事実の力は大きかったと思います。」と話しました。

取材日 2023/02/17

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