Garoon

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「kintoneと連携できるからGaroon」セット導入で情報共有基盤を内製化

YKアクロス株式会社 様

業種
小売・流通
都道府県
東京都
利用人数
363名
形式
クラウド版
導入前の利用製品
Microsoft 365
導入パートナー
導入:株式会社内田洋行
構築:アイブリ株式会社

YKアクロス株式会社は、総合化学メーカーであるデンカ株式会社の関連会社で、主に化学製品や鉄鋼原料他を取り扱う創業110年を超える老舗商社です。同社では社内のIT化を目的に、クラウド版 Garoonとkintoneをセットで導入しました。Garoonは情報共有やワークフローシステムとして、kintoneはGaroonで決裁後の書類の保管などに利用されています。 今回はご担当者様に、Garoonの導入経緯と利用効果についてうかがいました。

INDEX.01 導入前の課題

情報共有・ペーパーレス・営業活動ステップアップの3軸で
山積みになったIT化課題に取り組む

―― Garoon導入前の課題やIT化の取り組みについて教えてください

2020年に社長の号令により当社のIT化がはじまりました。社内でIT化すべき点を洗い出し、主に以下の3点を意識し取り組みました。

IT化の目的

  1. 社内の情報共有:コミュニケーションツールがバラバラで、必要な情報がまとまっていない
  2. ペーパーレス化:大量の申請書類をワークフローで電子化したい
  3. 営業活動のステップアップ:企業情報システムと商談情報を紐付けて、営業情報を蓄積・集約したい

1つ目の目的は情報共有です。当社は自社製品を持たない商社のため、物を売る時に重要になるのは”情報”です。元々社内ではOutlook(スケジューラー、メール)とZoom(web会議)を導入していましたが、個々人のやり取りはメールや個人チャットなどバラバラでした。社内コミュニケーション手段が統一されておらず、大事な情報が1箇所にまとまっていませんでした。必要な情報をきれいにまとめて、すぐに社内に共有できるような基盤を作る必要がありました。

2つ目はペーパーレス化です。紙の書類を使う業務が多く、会社が紙で溢れていました。また、出先で申請の承認ができない、地方拠点に送る場合決裁完了までに数日かかるといった課題がありました。ワークフロー機能のあるツールを導入して電子化を目指したいと考えました。

3つ目は営業活動のステップアップです。企業情報と商談情報がバラバラになっていたので、営業情報を集約・蓄積でき、すぐに全社共有できるシステムが欲しいと考えました。

これら3つの目的は、現状の社内システムだけでは解決できないと考え、達成できる仕組みを一から考えることにしました。

INDEX.02 導入の決め手

kintoneと連携できるGaroonを選定
SharePointより内製化しやすい

――最初にkintoneの導入からご検討いただいたそうですが、検討の経緯を教えてください。

まず、商談の情報をまとめるためのツールを探しました。名刺管理機能を備えた企業情報データベース企業データベース「uSonar」と連携できるSFAがkintoneとSalesforceだったため、この2製品で検討を開始しました。Salesforceは費用が高いことと、開発が難しくベンダー頼みになることから選択肢から外しました。kintoneを選んだのは、自分たちで内製化可能なツールのため、今回の目的に合うと思ったからです。商談や報告書、売り上げ情報をuSonarの企業情報と連携しkintoneに蓄積することで、商談情報の共有がよりスムーズでき、営業活動のステップアップにつながると考えました。

――その後Garoonも導入しようと考えた理由を教えてください。

kintoneについてサイボウズに相談する中で、Garoonでワークフローを電子化できること、kintoneと連携して便利に使えることを知ったからです。また、Garoonはワークフローだけでなく、スケジュールやポータル、ファイル管理などの機能も搭載しています。今回のIT化の目的を達成しつつ、管理工数を抑えるためになるべくツール数を増やしすぎずに、かつリーズナブルな利用料で導入したかったため、Garoonとkintoneを連携させて使うことに決めました。

――元々利用していたMicrosoft製品に情報共有の基盤を統一しなかった理由を教えてください。

たしかに元々Outlookをスケジューラーやメールとして利用していましたが、Microsoft製品への統一は候補に上がりませんでした。社内ポータルにSharePointを利用した場合、自社開発のハードルが高く、ベンダーに依存してしまう例を見てきました。そのため、Microsoft製品への統一は業務ツールの内製化という目的に合わないと判断しました。一方で、Garoonは簡単に設定・操作できるので、ポータルの作成・運用を内製化できます。製品検討の目的をふまえて、Garoonとkintoneを選びました。

社内ポータル利用時の課題と解決方法

社内ポータル利用時の課題と解決方法

INDEX.03 導入効果

複数システムの連携で効率的に利用
電子化で紙利用も半減

――Garoonとkintoneの導入によって、IT化の3つの目的はそれぞれ達成されましたか?

社内の情報共有、ペーパーレス化、営業活動のステップアップのすべてで効果を感じています。

主な効果 before after
社内の情報共有 ・情報がバラバラでどこに何があるかわからない
・人によって連絡手段がバラバラ
・過去のやりとりを遡るのが大変
情報がGaroonとkintone上にまとまった
・ポータルで情報への導線を整備
社内の連絡手段をメッセージに統一
・過去のやりとりや添付ファイルを遡りやすい
・海外法人とのやりとりを統一化
ペーパーレス化 ・決裁まで最短3日
・紙の保管が必要
・過去分を探すのが大変
決裁まで最短4時間
申請データをkintoneに蓄積
・簡単に検索可能
営業活動のステップアップ ・企業情報と商談情報がバラバラになっている ・kintoneでuSonarと連携した商談管理が可能に
・kintoneアプリでの報告書作成で、すぐに情報を全社共有できる

――情報共有においてどのような効果が得られましたか?

情報を入れる場所、コミュニケーションをする場所が統一されたことで、情報共有がスムーズにできるようになりました。あらゆる情報がGaroonとkintoneに集まる中で、Garoonのポータル機能を用いることで情報を集約する場所の整備をしています。現在は5つのポータルを全社に公開し、よく使う申請やマニュアル類のリンクなどをまとめています。サイボウズから提供されているポータルテンプレート を利用したため、短時間で簡単にデザイン性の高いポータルを作成できました。ベンダーに依存しない内製化が理想だったので、自分たちの手で簡単に作り込めるGaroonは当社に合っていると感じています。

テンプレートを利用し作成した社内行き先案内板ポータル

テンプレートを利用し作成した社内行き先案内板ポータル

また、これまでシステム利用の統制がなかった海外現地法人にもGaroonの利用が広がりました。日本本社とのやり取りがGaroonに一元化され、時差がある中でのスケジュール調整やコミュニケーションがスムーズになりました。

――ペーパーレス化についてはどのような効果が得られましたか?

Garoonのワークフロー機能の利用により、Garoon導入前と比べ申請業務での紙の利用が半減し、決裁までの時間も大幅に短縮されました。地方拠点の場合は本社に書類を送っていたので、決裁まで最短3日必要でしたが、現在は4〜6時間で完了するケースもあります。コロナ禍で在宅ワークになったときでも、家にいながら申請業務が滞りなく遂行できました。ワークフロー導入直後の出来事だったので、あってよかったと1番強く感じた瞬間でした。テレワークが必要な状況でも業務遂行できるのはGaroonの導入効果です。

また、Garoonのワークフローで決裁した申請データの一部を、kintoneアプリで保管するカスタマイズを入れました。Garoon側では申請者と承認者のみ申請データを閲覧できるように設定し、連携先のkintoneアプリ側では必要な人全員が閲覧できるように設定しました。社員が見返す必要のある申請データをまとめて保管する仕組みができ、書類保管の必要がなくなり、目的のデータも簡単に検索で探せるようになりました。

Garoonで承認された申請の一部がkintoneに保管される

Garoonで承認された申請の一部がkintoneに保管される

Garoonのワークフローで決裁されると自動的にkintoneアプリに格納される

Garoonのワークフローで決裁されると自動的にkintoneアプリに格納される

ーー営業活動のステップアップについてはどういった効果を感じていますか?

kintoneの商談管理アプリと企業データベースuSonarの連携によって、kintoneに商談情報が集約されるようになったことが1番の効果です。商談情報1箇所に蓄積され、kintoneアプリで簡単に報告書作成もできるので、必要な情報をすぐに共有できるようになりました。

当社では基本的にGaroonとkintoneで業務ツールの内製化を実現していますが、JavaScriptでのカスタマイズが必要な部分はサイボウズのパートナー企業アイブリ株式会社にお願するよう、切り分けを行っています。今回行った一連のkintone連携の開発は、アイブリ株式会社に依頼し、話し合いながら進めました。アイブリ様に伴走支援いただいたことが活用成功の要因の1つであると考えています。

ーー以前から利用していたMicrosoft 365は現在どのように使っていますか?

WordなどのOffice系ソフトと、社外とのやりとり用の Outlookメールを利用しています。スケジュールはGaroonを使っており、Outlookは使わなくなりました。

Garoon、kintone、他製品を連携しうまく使い分けている

Garoon、kintone、他製品を連携しうまく使い分けている

ーーOutlookカレンダーと比べて便利になった点はありますか?

予定を調整する際の候補日検索や、施設も含めた空き時間確認が簡単になったと思います。社員からは「予定調整時に、予約で埋まっている施設がマーク付きで表示されるため、使用可能な施設が一目でわかって便利だ」という声も聞きました。

予定調整画面で、予約で埋まっている施設はマーク付きで表示される

予定調整画面で、予約で埋まっている施設はマーク付きで表示される

――Garoonのコミュニケーション機能とOutlookメールはどのように使い分けていますか?

Garoon導入前はOutlookメールで社内外のやり取りを行っていたので、Garoonのメッセージとどう使い分けるかを議論しました。Garoonのメッセージは構造上1つの話題に対してコメント欄が下に続いていきます。そのため、長く話し合うトピックの場合はメッセージが最適と判断しました。Outlookメールは現在社外とのやりとりにのみ利用しています。

メッセージの効果としては、過去のやり取りや添付ファイルを遡りやすくなりました。社員からは「メールでは硬い表現を使っていましたが、メッセージにはリアクション機能(了解しましたボタン)があることで、相手の反応を気にせずやり取りができるようになった」との声が寄せられました。これらの声から、昔より意見を出しやすい環境ができたと感じています。

日々の業務のやりとりはメッセージで行っている

日々の業務のやりとりはメッセージで行っている

開発・企画部門 営業企画部(取材当時)
依田 義通さん

――Garoon導入時、社内浸透のための工夫はされましたか?

Garoonの簡単な説明資料を用意し、説明会を実施しました。すべての予定をGaroonのスケジュールに入れることや、メッセージ機能の使い方などを伝えました。当社にはITが苦手な社員もいますが、利用開始後の問い合わせが少なくて管理者として助かっています。Garoonのユーザーインターフェースは誰にとってもわかりやすいのだと感じました。

INDEX.04 今後の展望

さらなる機能活用と電子化を促進

――今後の展望をお聞かせください。

現在Garoonで利用中の機能をさらに活用することと、まだ残っている紙の業務をワークフローで電子化することが目標です。今回のGaroonとkintoneの導入でIT活用の土台ができたので、受注台帳のExcelをkintoneアプリに置き換えていくなど、個別業務をさらに効率化していきたいです。

INDEX.05 詳しい使い方

ポータル・リアクション機能

ポータルで社内の重要情報を整理整頓

テンプレートを使って簡単に作成

Garoonのポータルテンプレートを利用して作成された「簡易案内板」

社員向けにポータルを5つ用意しています。社内書類やフォーマットへのリンク集、よく使う社内ツールへの導線、マニュアル案内、会社規程集を掲載しています。サイボウズが用意しているテンプレートを使ったり、Garoon導入前に利用していた社内ポータルのHTMLをそのまま移行したりして、効率的に作成しました。

Garoonのポータルテンプレートを利用して作成された「簡易案内板」

Garoonのポータルテンプレートを利用して作成された「簡易案内板」

当社のポータルに掲載中の規定や書式は「ファイル管理」に置かれています。ファイル管理側でファイルを更新すれば、ポータルからも最新のファイルにアクセスできます。ファイルのバージョン管理も可能です。

クリックするとファイル管理に遷移し、規程集をダウンロードできる

クリックするとファイル管理に遷移し、規程集をダウンロードできる

ファイル管理では会社規定や各種フォーマットを保存している

ファイル管理では会社規定や各種フォーマットを保存している

リアクション機能を活用

「いいね」を「了解しました」に変更

既読代わりに「了解しました」を押して反応している

Garoonにはリアクション機能として「いいね」ボタンが搭載されていますが、当社ではボタンの文言をデフォルトの「いいね」から「了解しました」に変更し、誰にでも使いやすいようにしています。

また、リアクション機能のおかげで、メールに比べてコミュニケーションストレスが軽減しました。メールの時は硬い表現を使っていましたが、Garoon内では「了解しました」ボタンで返事が済むことも多いです。相手の反応を気にせずスムーズにやり取りでき、返信に割く時間も短縮できました。

既読代わりに「了解しました」を押して反応している

既読代わりに「了解しました」を押して反応している

取材日 2022/11/17

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