

- 業種
- 建設・不動産
- 都道府県
- 東京都
- 利用人数
- 2500名
- 形式
- クラウド版
- 導入パートナー
- リコージャパン株式会社
建設用仮設資材、ハウス・備品、物流機器、介護用品の4分野でレンタル事業を営む日建レンタコム株式会社は、2024年に独自開発したグループウェアからのリプレイスでクラウド版のGaroonとkintoneを導入。Garoonはグループ会社共通のポータルとして約2,500名で利用。これまで情報システム部門に依頼が必要だったポータルの編集や情報発信を、各事業部が自ら行えるようになり、全社の情報共有が大きく加速。また、情報システム部門のグループウェア管理の負担も軽減され、開発者2名分以上の工数削減を実現しました。
リプレイスツールの選定に関わったIT推進本部 IT基盤管理部 部長の岡田克則さん、課長の髙橋達也さんに導入の決め手・活用方法・利用効果をうかがいました。
INDEX.01 導入前の課題と導入の決め手
会社のポータルサイトを時代に合わせて刷新!4ツール比較でGaroonが総合力No.1
――はじめに、Garoon の導⼊を検討したきっかけについて教えてください。
岡田さん:当社では、2010年から自社開発のポータルサイトを利用して社内コミュニケーションを行ってきました。しかし、同ポータルが稼働しているWindows Server 2012(サーバー用OS)のサポート終了に伴い、後継ツールの導入が必要になりました。社内では、事業や組織の拡大・変化に伴い、ポータルに対するさまざまな要望が寄せられていました。今後はChromeをはじめとする複数のブラウザやモバイルアプリへの対応も求められます。しかし、これらの要望を満たすツールを内製で開発するとなると、2年近い期間と数千万円規模の開発費が必要になるうえ、IT人材は不足していました。そこで私たちはポータルの内製開発を断念し、クラウド型のポータルサイトへの移行を検討することにしました。
――社内ポータルサイトには色々な製品があるなかで、Garoon を選んだ理由を教えてください。
髙橋さん:Garoonは、複数の検討軸で4つのツールを比較した結果、総合的にも最も評価が高く、導入を決定しました。比較したツールは、Garoon・desknet's・Office 365 E1・Google Workspaceです。比較項目は当社が求めている10項目で、対応ブラウザ・事業別の情報発信・簡易アプリ作成・画面の分かりやすさなどの要素がありました。それら検討項目に最も「◯」が多くついたのがGaroonでした。
高橋さん:はじめは、自社が開発した内製のポータルサイトに画面が似ていることからdesknet'sを有力視していましたが、各機能を詳しく比較検討するうちに、Garoonが最も要件に合致していると感じるようになり、最終的には大きな差がつきました。特にGaroonの特徴である、デザインがシンプルで利用者に分かりやすいこと、事業部ごとにポータルを作ることができること、管理に高いITスキルが不要なこと、他ツールと連携できる拡張性、kintoneとの併用でアプリ開発が可能になるなどは、当社の希望に合致していました。
岡田さん:当社のトップはITに対する理解があり「新しいものは役に立つなら入れなさい、やって駄目ならやめなさい」のスタンスということもあり、稟議から承認までは1ヶ月と早かったと思います。そして「やるからには!」と、デザインや機能面での前向きな要望を多数いただくことになりました。
――Garoonの利用を社内で促進するための取り組みは行いましたか?
高橋さん:浸透の取り組みとしては、IT推進本部がウェビナーを開催して使い方の理解を深めてもらいました。また、基本操作や年配の方に伝わりにくそうな部分は、動画マニュアルを作り、噛み砕いて分かりやすく伝えました。サイボウズは知名度もありますし、よく使う機能は内製ツールと同じなので操作で迷う方は少なく、困ったことも起こりませんでした。スムーズに移行できたと思います。
INDEX.02 活用方法
事業部別に色違いのポータルを構築。スペースで組織横断プロジェクトの進行が加速
――事業部別にポータルを作っているそうですが、詳しく教えてください。
岡田さん:日建リース工業には建設用仮設資材、ハウス・備品、物流機器、介護用品の4事業があります。事業によって、それぞれ職務内容が異なるため、事業ごとに専用のポータルを用意しました。ただし、ポータル全体としてバラバラな印象を与えないように、統一デザインのパターンを設けています。
細部の設定は、GaroonにはHTMLで自由に文字列を記述したり外部リンクを貼ることができる「HTMLポートレット機能」があるので必要に応じてカスタマイズしています。ここでもHTMLの書き方には統一のパターンを設けて規則性を持たせています。
またポータルのテーマカラーは、各事業の基幹システムのメインカラーと同じ色に設定しました。管理職や業務職の方は複数事業を兼務されているので、どのポータルを開いても直感的に使えるよう工夫しています。
高橋さん:4つの事業それぞれにGaroonの運用管理者をおいて、ある程度のポータルの改変や掲示板への投稿を事業部が主体で行えるようにしました。かつてはそれをIT推進本部が行っていたので実施までに時間が必要でしたが、Garoonでは事業部の都合で情報を投稿できるので情報伝達のスピードが格段にあがりました。
――ポータル内でkintoneと連携している部分はありますか?
髙橋さん:介護事業部のポータルでは、kintone内のアプリに蓄積されたデータをもとに作成したグラフを、Garoonのポータル上でリアルタイムに状況を把握できるようにしています。
――Garoonの機能で特に役に立っているものがあれば教えてください。
岡田さん:当社ではメッセージ・スケジュール・掲示板・スペースを中心に利用しています。中でも、組織を横断してプロジェクトを推進できる「スペース」は特に好評です。新規の案件やプロジェクトが発足した時にはスペースを使って関連メンバーを招集し密に情報共有をしています。これまでは共有サーバーに資料を置きメールでやり取りをしていましたがうまく情報共有できていませんでした。Garoonのスペースを活用し始めてからは、グループ内への新商品情報や在庫状況などの発信や、グループ内での会話がとてもスムーズになりました。また、スペースは誰でも自由に作って良いルールで運用しているため、利便性の高さから導入1年で800件以上のスペースが立ち上がりました。
INDEX.03 導入効果
グループウェアの管理負担が開発者2名分以上も軽減
――導⼊後、具体的にどのような効果・変化がありましたか?
岡田さん:内製ツールを利用していた15年間は、機能追加やアプリ作成の要望があるとすべてIT推進本部が対応しており、その管理業務は非常に負担が大きかったです。現在は、Garoonの細やかな管理権限設定により、各事業部や現場の担当者が自ら工夫してツールを活用できる体制が整っています。加えて、新たなツールが必要な場合は、kintoneを使って現場で柔軟にアプリを作成できるため、IT推進本部がすべてを一手に管理する必要がなくなりました。この結果、開発人員2名分のリソースを他の重要業務に振り向けられるようになりました。またkintoneアプリの開発は若手社員が担当しています。ノーコードで開発できるため短時間でアプリを作成でき、現場の業務にすぐに役立てられるのが魅力です。作成した本人にとっても達成感が大きく、「kintoneなら任せてください!」と自信を持って取り組んでいる姿は、とても頼もしく感じています。
INDEX.04 今後の展望
現場でのアプリ作成をアナウンスしたい
――Garoonとkintoneを今後どのように活用していきたいですか?
岡田さん:kintoneに対する「良いね!」「ラクだね!」の声が社内から上がり始めました。内製ツールとは違い、サイボウズのツールはアプリ開発者がインターネットでカスタマイズ情報を調べて実装できる点が魅力です。このナレッジ共有を活用し、現場でのアプリ作成をアナウンスしようと考えています。
髙橋さん:IT推進本部ではGaroonとkintoneの連携について学び、更に便利な全社ポータルを目指します。
INDEX.05 詳しい使い方
施設予約・お知らせ・kintone/API連携
施設予約で他拠点会議室のIPアドレスを予約

モバイルPCを他拠点に持ち込む際には、訪問先拠点の会議室ごとに割り当てられたIPアドレスを各自のPCに設定する必要があります。以前は、この設定作業をIT推進本部が対応していましたが、現在はGaroonの施設予約機能を活用し、会議室の予約と同時にIPアドレス情報を確認できるようにしました。これにより、社員自身で必要な設定が行えるようになり、IT部門の負担も軽減されています。
見てほしいお知らせを絵文字で強調

特に注目してほしいお知らせや重要な連絡がある場合、発信者の多くがタイトルや本文に絵文字を使って強調する工夫をしています。中でも人気なのが「🚩(旗)」の絵文字で、「重要なお知らせ」や「必読」などの情報を視覚的に目立たせる目的でよく使われています。
このほかにも、内容に応じてさまざまな絵文字が活用されており、社員それぞれが伝えたい内容をよりわかりやすく、目に留まりやすく工夫して発信しています。
Garoonとkintone併用で特設サイトを開設

全国のWindows 11端末を入れ替えるプロジェクトを遂行するために、Garoonとkintoneを利用して「端末入れ替え専用サイト」を用意しました。Garoonには専用サイトにアクセスする入口と、問い合わせへの返信があった際に通知を表示する仕組みを設けました。kintoneでは端末入れ替え作業のための情報一覧と、IT推進本部への問合せフォームを用意しました。端末入れ替え情報は、kintone内の情報を公開可能にするプラグインkViewer(ケイビューワー)を用いており、kintoneのアカウントがなくても必要な情報を直接閲覧できるようにしました。
他システムとのAPI連携
当社が利用中のワークフローシステムとGaroonをAPI連携し、ワークフローシステムで承認が終わると申請者のGaroonポータルに承認通知自動で届く仕組みを構築しました。この通知は、Garoonのメッセージ機能を用いて、申請者宛に新規メッセージが自動作成される形で送られます。
API連携の開発は、Garoon側にサンプル情報が提供されていたこともあり、比較的短期間で実装することができました。
主な活用機能
取材日 2025/04/02
導入パートナー企業