- 業種
- 製造
- 都道府県
- 東京都
- 利用人数
- 2300名
- 形式
- クラウド版
- 導入パートナー
- クロス・ヘッド株式会社
1918年創立の総合防災メーカーであるホーチキ株式会社は、自動火災報知設備などの火災防災ソリューションを主力に129カ国で事業を展開しています。同社は、20年利用していたオンプレミスのグループウェアからクラウド版 Garoonへ移行し、Teamsと連携しながら予定や社内通達の情報共有を進めています。今回はITツールの導入を担当する情報システム部 IT推進課 課長 鈴木 智さん、副参事 佐野 貴章さん、担当係長 岡村 絵莉さんにGaroonの導入経緯やMicrosoft 365に一本化しなかった理由、導入効果について伺いました。
INDEX.01 導入前の課題
Teams浸透に伴い、古いグループウェアとの二重管理が
ストレスに
―― Garoon導入前の課題について教えてください。
佐野さん:2023年までの約20年間、オンプレミスのグループウェアを、スケジュール管理・施設予約・掲示板・電話帳・文書管理の目的で利用してきました。しかし、グループ会社との情報共有に課題が出ていたことに加え、コロナ禍に入りTeamsの利用が定着したこともあり、グループウェアの使い勝手に課題を感じることが増えました。課題は大きく分けて3つありました。
①予定の二重登録問題
打ち合わせを設定する際には、旧グループウェアでの予定登録に加えて、会議室の予約やTeamsでのWeb会議を登録する必要があり、二重管理になっていました。特に旧グループウェアでの予定登録を忘れてしまう社員は多く、予定のダブルブッキングが頻繁に起きていました。結果、旧グループウェアのスケジュールにある情報の信頼性が落ち、使用率が低下していました。Teams導入後はこの傾向が顕著でしたので、解決は急務でした。
②アクセス権の設定作業が複雑
以前、グループ会社との情報共有を図るために、グループウェアの利用を当社以外にも拡大しました。社内通達をメインにアクセス権を設定したかったのですが、旧グループウェアでは、細かいアクセス権の設定や一括変更ができず、設定の抜け漏れが発生していました。
当社単体でも大変だったアクセス権の設定を、グループ会社全体に対してミスなく行うことは困難でした。
③ポータルのカスタマイズ機能やレスポンスが不十分
ポータルの表示内容を編集したくても、できることが限られており、カスタマイズも簡単ではありませんでした。
また、旧グループウェアはオンプレミスのシステムだったため、ページの表示に時間がかかり、レスポンスが遅いという課題もありました。結果、ポータルは最低限の掲示や通達のみの利用に留まっていました。
鈴木さん:旧グループウェアで理想を実現するのは課題が山積していて難しいと感じました。現状を打破するには「グループウェアをリプレイスするしかない」という結論に至り、会社を説得しました。経営層も同様の課題を感じていたようで、グループウェアの刷新が決まりました。
INDEX.02 導入の決め手
Teams連携、説明書無しで直感的に使えるUI
――導入までのスケジュールについて教えてください。
鈴木さん:22年5月にGaroonの導入相談に申し込みました。その後営業の方から説明を受け、Slerを紹介してもらいました。他社製品と比較するためにも、各社のWebセミナーに参加したりトライアルをしたりしていましたね。
こうして複数の製品を検討した結果、Garoonと「CROSSLink 365 Teams連携 」(提供:クロス・ヘッド株式会社)の組み合わせが最も当社にマッチしていると判断し、23年4月にカットーオーバーしました。
――比較した製品と検討内容について教えてください。
鈴木さん:旧グループウェアがオンプレミスのシステムだったため、外出先からの使い勝手の向上やサーバー管理コストの軽減が可能なクラウドツールを検討しました。比較した製品は国産グループウェアA社 、Microsoft 365、Garoonです。
私たちは、グループウェアは全社員が使って初めて効果が出るものと考えています。また、社員が手軽に利用できるツールであれば、リプレイスの抵抗を抑えることにもつながります。そのため、旧グループウェアで生じていた課題の解消とUIの使いやすさを重視して選定しました。
――Garoonと国産グループウェアA社の比較内容について教えてください。
佐野さん:UIは良かったのですが、Teamsと連携できないことと文書データの移行作業にかかるコストがネックになりました。一方、Garoonは連携製品である「CROSSLink 365 Teams連携 」(提供:クロス・ヘッド株式会社)を利用することでTeams連携が可能です。これでユーザーが最もストレスに感じていた二重登録の課題を解決できると考えました。また、Garoonには移行用のAPIが用意されており、SIerの作業協力も得られます。実際の作業では20年分の文書ファイルをたったの24時間で移行でき、スムーズに文書移行を進められました。
――すでに利用していたMicrosoft 365に一本化しなかった理由を教えてください。
鈴木さん:TeamsやOutlookといったMicrosoft 365の一部の機能を利用中なため、一本化するのがベストプラクティスであることは理解していました。それでもMicrosoft 365に一本化しなかった理由の一つとして、障害発生時に業務を止めないようにすることが挙げられます。ツールが1つに集約されていると、突然システムが動かなくなった時に一切情報発信ができなくなってしまうため、一本化は避けるべきであると判断しました。
岡村さん:アクセス権の再設定も懸念点でした。
Microsoft 365はすでに運用していたシステムだったため、組織やプロジェクトごとに既存のアクセス権グループが多数存在していました。これらを整理し直す作業や、設定ミスや漏れが即反映されてしまうことを踏まえると、かなり手間がかかり、スムーズに移行できないと考えました。
また、Microsoft 365はUIが日本企業向けではなく、旧グループウェアと比較すると大幅に使い勝手が変更されます。UIも頻繁に変わるため、幅広い年齢層の社員が在籍する当社では使いこなせない方が出てくるのではないかと感じました
製品比較表
国産グループウェアA社 | Microsoft 365 | Garoon+CROSSLink 365 Teams連携 | |
---|---|---|---|
UI/操作性 | ○ | △ | ◎ |
Teams連携 | × | ◎ | ○ |
データ移行のしやすさ | △ | - | ○ |
ツール分散による業務の持続性確保 | ○ | × | ○ |
アクセス権設定のしやすさ | - | △ | ○ |
Microsoft 365に一本化しなかった理由
- 障害発生時に業務を止めないようにするため
- 現行のアクセス権グループの整理に手間がかかるため
- 運用中の管理設定にミスが即反映されてしまうことを懸念したため
- UIが日本企業向けではなく、頻繁に変更があり、社員全員が使いこなせないため
- 既存のグループウェアからの変更点が多く、移行に抵抗が生まれやすいため
――GaroonのUIを高く評価いただいたと伺いました。その理由を教えてください。
岡村さん:導入前に複数回検証を行い、主に以下を確認しました。
・初見で使えるほど操作性が良いか
・見やすいポータル画面を作れるか
・旧グループウェアとの差異はどれくらいあるのか
Garoonはテンプレートを使って分かりやすいポータルを作成したり、文字の大きさや色使いを工夫して見てほしい情報を目立たせたりすることが簡単にできます。Garoonなら旧グループウェアと同様に利用できると感じました。
鈴木さん:Microsoft 365はマニュアルを作っても操作が難しいのではないかと感じましたが、Garoonは説明書なしで直感的に利用できました。ユーザーのことがよく研究されていて、「これであれば間違いない」と自信を持って導入を決めました。
INDEX.03 導入効果
グループウェアの利用率改善、社員の生産性に対する意欲が向上
――導入前の課題の中で、解決が急務だった予定の二重登録は解決できましたか?
岡村さん:解決できました。現在は、Garoonの予定登録画面からTeamsのWeb会議や施設を予約しています。社内からは「あちこちに登録する作業が毎回大変だったけれど、今は非常に楽になった」と喜ばれています。
また、他メンバーの空き予定の把握が簡単になったことも好評です。旧グループウェアのスケジュールには予定だけでなく個人のToDoもまとめて表示されており、本当に予定が埋まっているのか分かりにくいという問題がありました。GaroonではスケジュールとToDoリストが別のアプリとして切り分けられているため、空き予定をすぐ確認できます。結果的に、予定の登録頻度が上がり、低下していたグループウェアの情報の信頼性も回復しました。
――アクセス権の設定が煩雑という課題は解消されましたか?
岡村さん:Garoonはアクセス権の設定画面を機能ごとに一覧で表示できるので、ミスや漏れが少なく、簡単に操作できます。施設や掲示板において、グループ会社や事業所間のアクセス権を柔軟に設定しています。
また、CSVファイルで組織の変更を一括設定できるのも気に入っています。これまではグループウェアの使用停止期間を設けて変更作業をしていましたが、その必要がなくなりました。グループ会社との情報共有や、大きな組織改編で今後より効果を発揮してくれると思います。
――情報が探しやすいポータルは作成できましたか?
岡村さん:テンプレートを活用して簡単に作成できました。作成した「社内行き先案内板 」ポータルは「複数のシステムへの入り口」としてよく機能しています。新しく入社した方でも説明不要で利用できますし、社内から「ポータルが見やすくなった」「行き先案内板がわかりやすい!」との声が寄せられています。画面を開いたら嬉しくなる、使いたいと思えるようなポータルです。
――全社で使うシステムの移行でしたが、利用浸透はスムーズでしたか?
鈴木さん:Garoonは直感的に使えるので、移行に際してユーザーの操作の迷いはほとんど見受けられませんでした。二重登録の手間も解消されたため、社員が以前よりグループウェアを利用してくれるようになりましたね。また、旧グループウェアの運用方法をGaroonにそのまま踏襲したこともあって、これまで導入したツールの中で最もスムーズに導入できました。
――組織風土における、Garoonの導入効果について教えてください。
鈴木さん:社内で、Garoonをさらに活用して会社全体を良くしていこうというマインドが育っています。まだ導入して間もないですが、グループウェアの利用率が上がっただけでなく、Garoonを使って情報共有を進め、生産性を上げようとする動きがあります。一部の社員は「このような機能もあるのか」と自発的にGaroonの機能の深堀をしていますね。これらはGaroon導入にあたり、想定外の副産物でした。
INDEX.04 今後の展望
活用を進め、会社全体のDXを推進したい
――Garoon活用における今後の展望をお聞かせください
鈴木さん:今後新しい体制として、Garoonをより活用するためのワーキンググループを始動予定です。
使いきれていない機能を使いこなし、グループ全体の情報共有も進めていきたいですね。
Garoonも含めて様々なツールを導入してきましたが、やはり「ITツールは道具であり、社員が実際に使ってこそ価値があるもの」だと改めて気づきました。導入後にいきなり組織が大きく変わることはないかもしれません。だからこそ「社員の教育」に力を入れてDXを推進し、ITを使って仕事のやり方を変えていきたいです。
INDEX.05 詳しい使い方
スケジュール・ ポータル・ アクセス権設定
スケジュールとTeamsを連携
連携製品を用いて業務効率をアップ
連携製品「CROSSLink 365 Teams連携 」を用いてGaroonのスケジュールとMicrosoft 365 Teamsを連携しています。Garoonで予定を登録すれば、TeamsのWeb会議も自動で予約され、登録後の画面にTeams会議への入り口ボタンも表示されます。
ポータルで社内の頻出システムを整理整頓
テンプレートを使って簡単に作成
現在、ポータルは2つあります。1つは初期のポータル設定に近い「全社用」のポータルです。スケジュールや通知一覧、リンク集などを配置しています。もう1つはテンプレートを活用して作った「社内行き先案内板 」各システムは使う頻度が多い順番で並べており、アイコンもわかりやすいように変更しています。今後は部署ごとのポータルも作成したいです。で、よく使う社内システムへのリンクを分かりやすくまとめています。
組織改編におけるアクセス権設定負荷を解消
CSVを用いてアクセス権を一括設定
管理画面から組織・役職・グループごとのアクセス権を簡単に設定できます。 閲覧・コメントなど操作単位での権限設定も簡単です。
また、CSVで組織追加や変更を一括設定できるので、大きな組織再編の時も簡単に修正できるようになり、ツール利用の停止期間を設ける必要もなくなりました。
主な活用機能
取材日 2023/7/25
導入パートナー企業