- 業種
- 製造
- 都道府県
- 東京都
- 利用人数
- 380名
- 形式
- クラウド版
- 導入前の利用製品
- Notes
- 導入パートナー
- 株式会社大塚商会
株式会社ISSリアライズは「情報と知識で、製造業を支援する」というコーポレートスローガンを掲げ、加工製品商社という新しい領域を開拓してきた企業です。 完成品メーカーに対して、最適な製造方法や仕入先の選定、納期や工程の管理に至るまで、製造面における全ての領域のサポートを担っています。
長年利用してきたNotesから、クラウド版Garoonと業務アプリ開発プラットフォームのkintoneに移行した経緯を総務部 情報技術グループ 課長 西脇 一憲さんと吉田 ももこさんに伺いました。
INDEX.01 導入前の課題
Notesのサポート終了
自分たちで業務改善できない環境
――ISSリアライズ様について簡単に教えてください。
ISSリアライズは、1920年に創業した加工製品商社です。8万点を超す加工製品のデータベース、日本全国2,400社を超える仕入先など、豊富な情報や知識をISSグループとして保有しています。それらを活かし、製造業の部品調達における困りごとの解決をしています。
お客様が抱える調達課題は、仕入先選定、安定供給、納期、コストなど様々です。それぞれの事情に合わせた提案や調整が当社の提供価値となっています。マッチングを目的としたコンサルティングだけではなく、完成して納品に到るまで、モノづくり全域にわたりきちんとサポートできることが強みです。
――Notesから移行する前はどのような状況だったのでしょうか?
Notesは当社のシステム基盤として6年間利用しており、1,500以上のデータベースが存在しました。用途は社内ポータルや掲示板、会議室予約、メールサーバーなどでした。とはいえ、一般社員は主にメーラーとして利用しており、グループウェアだと考えていた人は少なかったです。
――当時の課題を教えてください。
利用しているNotesのサポート終了発表があり、セキュリティ面の不安から別ツールを検討し始めました。
情報技術グループには、営業出身者や、情報技術を専門に学んだわけではない人も多く所属しています。運用保守に専門知識が必要なNotesを使いこなせていませんでした。情報技術グループとして推進していきたい業務改善が自分たちでできるツールが必要だったのです。
INDEX.02 導入の決め手
最も操作性・検索性が高く
ビジネスの変化にも対応できるサービス
――検討で重視した点を教えてください。
自分たちの手で業務改善できる、習熟しやすいツールであることは重視して検討しました。総合的に見て操作性や情報の検索性が最も高いのがGaroonでした。Garoonは最初にマニュアルを読み込む必要がなく、直感的に使えます。ヘルプページが充実しているので、困っても調べたらすぐに答えがわかりました。情報の検索性についても、Garoonには全文検索機能があるので調べたい資料をすぐに見つけられます。
ユーザーとしても、若手からベテランまで、ほとんどの社員が身近に使えるツールになると確信しました。「情報共有のスピード」の観点でも、他製品より優位性があると判断しました。
――決め手は何だったでしょうか?
Garoonは変化し続けるツールであることが決め手でした。今、世の中で使われているサービスのトレンドは、つながること、連携だと思います。業務改善を進める上でも、他システム間との連携や併用を想定した環境が必要でした。Garoonは世の中のトレンドに合わせてサービスや機能が更新されています。当社のビジネスの変化にも対応できるツールだと思いました。また、内製化ツールの核として、2018年から既にサイボウズのkintoneの活用を模索していました。同じサイボウズのGaroonなら連携・併用しやすいことも評価したポイントでした。
――選定時に印象に残ったことはありますか?
サービスや機能の更新が続いていくSaaSを利用する上で、サービスを提供する企業の考え方や製品思想も重要だと考えています。サイボウズは外資系メーカーと比べて、コラボレーションや働く楽しさを重視している企業だと感じました。製品画面や資料、社長の青野さんの発言などを見ても、当社と考え方がマッチしていると感じ、安心して導入できました。
INDEX.03 導入の効果
Garoonでポータルを更新 kintoneで内製化
チャットツール directとも併用
――Notesからの移行はどのように行いましたか?
情報技術グループで1,500以上のデータベースの移行を検討しました。ログ調査やヒアリングで必要性を確認し、約9割を不要と判断して削除しました。残りの1割をGaroonやkintoneに移行中です。Notesのデータベースを残すつもりはなく、2022年中にサーバー自体を撤去する予定です。
元々Notesのデータベースで運用していた会議室の予約や掲示板は、Garoonの機能で代替しました。システムマニュアル、規定、会議資料、電話番号表などのデータベースはkintoneに移行しました。移行直後は問い合わせが殺到しないか心配でしたが、何事もなく安心しました。
――Garoonの導入効果はいかがですか?
ポータルを中心に様々な社内システムをつなげられました。NotesやSFA のスケジューラー、会議室予約DBにまたがっていた情報が集約され、利便性が高まりました。他にも、紙の申請をほぼGaroonのワークフローに移行できました。掲示板を使った部署やグループ会社からの情報発信も増えています。全体として、情報共有のスピードが変わった実感があります。
主な効果 | Before | After |
---|---|---|
セキュリティ | サポート切れで不安 | クラウドで常に最新状態 |
パフォーマンス | データ容量圧迫とレスポンス低下 | クラウドで高パフォーマンス |
運用管理 | 専門知識が必要で習熟しにくい | 運用管理しやすく 他システムと連携可能 |
スケジュール | 複数のスケジューラーや 会議室予約DBに情報が分断 |
スケジュールを集約しSFAとも連携 |
申請 | 紙の申請が中心 | ほぼペーパーレス化へ |
業務改善 | 業務改善が実現できない | kintoneによる内製化と業務改善 |
――Garoon以外のサービスも併用されていますね。
Garoonのポータルには「楽々精算」、「OBIC7」、「カオナビ」のアイコンを配置しており、様々な社内システムの入り口の役割を果たしています。
ログインの手間削減やセキュリティ強化のため、シングルサインオンで連携させたサービスも随時増やしていく予定です。管理者側としては、1つのサービスで賄う方がシンプルで良いという考え方もあるかもしれません。しかし、ユーザーからすると、画面遷移するのであれば同じサービスでも違うサービスでも変わりません。例えば経費精算やタレントマネジメントは、それぞれ特化したサービスを利用した方がユーザーにとっては使い勝手が良いと考えています。
――Garoonに加えてkintoneをどのように利用していますか?
kintoneは総務部が管轄するデータベースの作成やヘルプデスクの管理で使用しています。これまでデータベースや業務システムの構築、更新は情報技術グループの仕事でした。しかしkintoneが浸透するにつれ、財務グループ、管理グループ、人事グループのメンバーも自分たちで業務アプリを作れるようになってきました。
例えば、頻繁な改訂が必要なコロナウイルスに関するガイドラインは、人事メンバーの手ですぐに更新可能です。2021年末に社名を変更した際は、社名変更に関するQ&Aを今までに無い速さで構築できました。Q&Aはkintone 連携サービスの「kViewer」を用いてGaroonのポータルに表示しており、Garoonにログインすれば閲覧できます。
情報技術グループへの問い合わせフォームはkintoneの連携サービスである「フォームブリッジ」で作成しています。問い合わせ内容がkintoneアプリに集約されるので、対応の効率化につながっています。
Garoon活用促進のために作成したポータルにも、問い合わせフォームへのリンクを設置しています。
kintoneによる業務改善の自走がどんどん進み「こんなに社内の内製化ニーズは大きかったのか」と驚きました。利用範囲の拡大に伴って、kintoneのアプリの命名ルールや閲覧権限のルールをガイドラインとして公開していきました。
――Garoonとチャットツールを併用していると伺いました。
株式会社L is Bのdirectというチャットツールを併用しています。ほぼ全社員にアカウントを提供し、コミュニケーション手段として活用しています。
directとGaroonの間には明確な使い分けが存在します。directでは日常会話などのフローの情報を、Garoonでは掲示や予定などストックの情報を扱っています。会話をすることと、共有された情報を見ることは、別の行動です。directもGaroonもそれぞれに得意分野があると思うので、1つのツールにまとめるべきという発想はあまりないですね。
コロナ禍でテレワーク対応を始めた際も、directがあることで社内コミュニケーションにはほとんど影響がありませんでした。これまでリアルで行われていた営業メンバーの打ち合わせが、directのチャットのみで完結したというケースも増えています。また、Garoonでは掲示板で公開した情報に対し、社員が直接リアクションできます。双方向のリアクションが可能になったことで、社内のコミュニケーションの在り方が大きく変化し始めているのを感じます。
2製品の違い | チャット(direct) | グループウェア(Garoon) |
---|---|---|
情報の種類 | フロー情報 | ストック情報 |
用途 | コミュニケーション・会話 | 情報共有・情報発信 |
代表的な効果 | コミュニケーション頻度増 | 公開された情報への双方向のリアクション |
――スケジュール管理や会議室予約にはどのような問題がありましたか?
スケジュールに関してはこれまで2つの問題がありました。1つは、社内に複数のスケジューラーが存在し、予定調整にとても手間がかかっていたことです。総務部門はNotesのスケジューラー、営業部門は「eセールスマネージャー」というSFAのスケジューラーを利用しており、情報が分断されていました。もう1つの問題は、スケジュール予約と会議室予約の仕組みが別々なので予約が面倒だったことです。Garoonでは両方の問題を解決できました。
――部署ごとにスケジューラーが違う問題はどう解決されましたか?
総務部門はNotesのスケジューラーからGaroonに移行しました。SFAのスケジューラーは連携ツールでGaroonと同期させています。スケジュールの二重登録がなくなり、部署をまたいだ予定調整が効率化できました。
――スケジュール予約と会議室予約の仕組みが別々だった問題はどう解決されましたか?
Garoonではスケジュールと施設予約が一体となっています。スケジュールの登録時に会議室も同時に予約できるので便利です。Garoonの施設予約では、営業車、鍵、TV会議端末、Zoomの会議室、RPA用PC端末など幅広い資産を管理しています。
INDEX.04 今後の展望
システム運用担当者から戦略部門へ
――今後のGaroonに関する展望を教えてください。
Garoonには、情報共有のスピードやコミュニケーションにかつてない変化をもたらし、ビジネスプラットフォームの中心的な存在になる可能性を感じています。ユーザーには、「毎日ポータルを開きたくなる」「仕事のスタートはGaroonを開くことから」と思って欲しいです。そのために、まずは私たち自身がGaroonの一番のファンとなり、良さを模索し伝え続けていくつもりです。IT部門だけでなく、社員みんなを巻き込みながら仕組みを育てていきたいと考えています。
――どのような活動に取り組む予定でしょうか?
Garoonのインフラ化に繋がる重要施策として、Notesのメーラーから、Garoonと親和性の高い「CYBERMAIL Σ」に移行予定です。CYBERMAIL ΣはGaroonのポータル上でメールボックスを確認できます。これによって全社的にGaroonを見る頻度も向上するはずです。
今後はさらに他部署とのコラボレーションを増やし、Garoonで情報発信する部署をもっと増やしたいと考えています。ポータル作成をサポートして「こんなに簡単に情報発信できるんだ」と実感してもらいたいです。
――今後期待していることはありますか?
Garoonの今後の機能アップデートについてもすごく期待しています。新機能が出ると、社内でもちょっと話題になりますし、これをどう使うか、どう広めていこうかという話になります。Garoonやkintoneを通じて、情報技術グループは単なるシステム運用担当者ではなく、企画側、戦略部門に変わっていけると思っています。
INDEX.05 詳しい使い方
掲示板・ワークフロー・スケジュール・kintone
掲示板で情報発信の工数削減
他部署・グループ会社からの情報発信も増加
これまでの掲示作成では、HTML制作を外注したり、ホームページビルダーを使ったり、PDFで作成したりなどの作り込みが必要でした。
Garoonでは画面上で文字装飾やリンクの設定、画像挿入から投稿までできるので、こうした掲示作成の工数が削減できました。当初は情報技術グループからの掲示を公開していましたが、今では他の部署も掲示板での情報発信を始めました。グループ会社からの情報発信も出てきています。IT部門以外のメンバーでも簡単に情報発信できる点が評価されています。
ワークフローによって紙の申請を電子化
kintoneも利用し全申請をペーパーレスへ
見積書以外の紙の申請を全てGaroonで電子化しました。見積書作成についてもkintoneでの開発を予定しています。見積書は帳票出力機能とExcelとの連携が必要だったため、kintoneとプラグインを利用することにしました。
スケジュールで休暇の予定を共有
休暇を申請しやすい環境に
スケジュールの共有予定機能を用いて、休暇の予定を上長に共有しています。マネージャーに口頭で休暇の予定を伝える形だと、遠慮してしまう可能性があります。そのため、一部の部門では基本的には共有予定で登録すればそれだけでOKとする運用上の工夫も生まれています。
kintoneでヘルプデスクを管理
対応状況をアプリで集計
外注しているヘルプデスクをkintoneで管理しています。ヘルプデスクの使用時間や対応時間、対応件数などをアプリで集計、可視化しています。ヘルプデスクの担当者とのやりとりもkintoneで行っており、メールよりスムーズです。
取材日 2022/01/14
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