- 業種
- 小売・流通
- 都道府県
- 兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県
- 利用人数
- 3000名
- 形式
- クラウド版
- 導入パートナー
- 富士通Japan株式会社
株式会社ハローズ様は瀬戸内エリアに106店舗(2024年3月現在)を展開する、全店365日24時間営業のスーパーマーケットです。日用品や生活雑貨を扱う業種と共同でショッピングセンターを形成するNSC化や、各店舗へ必要な商品を安定供給する自社物流センターを強みに、店舗を拡大しています。同社は、社内コミュニケーションのために利用していたオンプレミスのグループウェア終了に伴い、2018年にクラウド版 Garoonを導入。2017年に導入済みのkintoneとの併用を開始しました。現在は、本社と店舗を含め3000人がGaroonを利用しています。今回はGaroonの導入経緯と活用効果、Garoonとkintoneを併用する理由について、専務取締役管理本部長 兼 BCP担当 花岡秀典さんとIT戦略部 山上智喜さんについてうかがいました。
INDEX.01 導入の決め手
膨大なデータをGaroonはスムーズに移行できる
―― はじめにGaroon導入の経緯について教えてください
山上さん:当時利用していたオンプレミスのグループウェアのサポートが、2018年に終了することになったため、後継サービスを選定することになりました。
旧グループウェアには社内コミュニケーションの他に、基幹システムから書き出したデータを貯める保管庫の役割がありました。十数年間利用した旧グループウェアには膨大なデータが蓄積されていたため、新ツールの最優先要件は資産価値の高い社内データを移行できる点にありました。
各社から提案いただいた中から、データをスムーズに移行できることと、グループウェアとしての機能が旧グループウェアと同等以上であることを踏まえ、Garoonを選定しました。
INDEX.02 活用方法
Garoonは社内コミュニケーションの基盤、
kintoneはペーパーレス化やコンプライアンス管理に活用
―― Garoonはハローズ様の社内にどのように浸透していったのでしょうか?
花岡さん:Garoon導入当時は、主に社内外のコミュニケーションと、基幹システムのデータをファイル管理に保管することの2つで利用していました。ただ、導入から1年後にGaroonのログ解析レポートを利用したところ、メッセージがかなり頻繁に利用されていることがわかりました。しかし、全社向けの通知や従業員同士のやりとりも全てメッセージで行われてしまっていたため、必要な情報が届かないという課題がありました。また、受信者が多数のメッセージを受け取った場合、内容を読み解いて1通ずつフォルダ分けするのも大変でした。これらの結果を踏まえて、通達などの情報共有を掲示板で行うように変更しました。加えて、掲示を部署ごとに分類して発信するようにしたり、「掲示は能動的に確認しに行くものだ」という意識を広めたりして浸透を図りました。これで以前より適切に本部内や店舗に情報が届くようになりました。
ログ解析レポート :クラウド版 Garoon のログを解析することで、Garoonの利用状況や社内コミュニケーションの状況などを可視化するサービス
―― 現在のGaroonの活用状況について教えてください
山上さん:現在はスケジュール、ポータル、掲示板、ワークフローなどを利用しています。
ポータルには、その日の予定や通達事項・業務に関する連絡などを集約しています。全社ポータルの他に部署ごとのポータルも用意していて、部署のメンバーのスケジュールを横並びに確認できるポータルや、会議の出欠確認をまとめて行えるポータルをカスタマイズで作成しました。それぞれの部署が便利に使っています。
掲示板は、本部からの通達、店舗への指示、マニュアル、Q&Aといった多くのシーンで情報伝達の役割を担っています。全社員や主任以上など宛先によって掲示のフォルダを分けるように運用しています。掲示期間の設定ができるのも便利です。
ワークフローは、社用車の持ち帰り申請、証明書や契約書の持ち出し申請などで利用しています。IT戦略部では、主にパソコンの貸与申請や追加のソフトインストールの申請に活用していますね。モバイルでも申請を確認できるところが気に入っています。
―― ハローズ様ではkintoneを併用されていますが、導入経緯と活用方法について教えてください
花岡さん:総務部では以前、月450件にも及ぶ紙の稟議書処理に追われていました。そこでペーパーレス化を進めるために、ワークフローを柔軟に設計できるkintoneを2017年に導入しました。主に店舗で使う備品購入の稟議書や電話決裁報告書の申請に活用し始めました。
kintoneやGaroonを導入したものの、これまでは部門別にツールを導入していたので、社内にシステムが乱立する状況となっていました。そのため、新たなシステムを導入するのではなく、kintoneやGaroonの活用範囲を広げることになりました。
現在は稟議書申請からさらに用途を広げています。2023年からは、「社用車予約兼運転日報」アプリを運用し始めました。空いている時間や車種を確認して車両を予約し、アルコール検知器に出力された数値と自身の顔写真をアプリに登録して申請するという仕組みです。予約一覧だけでなく自分が確認者として見るべき一覧も用意しており、確認者側としても使いやすいですね。チェック状況や添付写真はレコード一覧で確認できるので、不備のレコードも簡単に見つけられます。
このアプリを活用し始めたことで、車両に関わる一連の業務を一括管理できるようになりました。
アルコールチェックの他にも、コンプライアンス管理のための誓約書モニタリング、コロナ感染者の登録、クレーム報告などに利用しています。
INDEX.03 活用効果
Garoonによる予定共有の改善と
kintoneでのシステム乱立防止
―― Garoonの導入効果について教えてください
花岡さん:Garoonを導入したことで、特にスケジュール管理が改善されました。以前は、スケジュールを個人管理していたので、同僚や組織のスケジュールの把握は難しく、周りが何をしているのかわかりませんでした。一方、Garoonでは基本的な機能で予定の共有化が図れるので、その日の部門の出勤体制や課題が一目瞭然になりました。空き時間の把握も簡単にできるため、ダブルブッキングも無くなっています。また、モバイルを活用すれば、パソコンを取り出さなくても予定を確認できるようになった点も非常に便利です。
―― kintoneの導入効果について教えてください
kintone導入後は、書類の印刷や押印手続きなど、紙ベースで行っていた業務が大幅に効率化しました。紙とは違い、過去のデータも探しやすくなりましたね。
また、kintoneは1つのプラットフォームとして、目的に応じたアプリをすぐに作成できます。当初は、アルコールチェックなど個別の用途に特化したツールを別途導入することも検討していましたが、追加費用をかけずに課題を解決できましたし、システム乱立を防ぐこともできました。
INDEX.04 今後の展望
現場の声を聞いて情報共有を進め、
データを経営に活かせる体制を築く
――Garoonとkintoneを今後どのように活用していきたいですか?
花岡さん:本社と店舗間の情報共有にさらに活用していきたいです。
現状、本部から指示は出しているものの、現場からの声が届きにくくなっているように感じています。当社では会社方針として標準化を掲げていますが、本部が考える標準化は必ずしも現場に適しているとは限りません。
本部で働くメンバーも、かつては現場で仕事をしていた人が多数を占めています。しかし、年月を経るごとに現場の実情がわかりにくくなってきてしまいます。昔の経験だけで仕組みを作ろうとしても、現場になじまず無理が生じてしまうでしょう。まずは本部と現場の意識のギャップを解消し、円滑な情報共有を実現していきたいです。両ツールをうまく活用すれば、本部と店舗のコミュニケーションや連携を促進でき、現場の声を店舗から集めて標準化するような使い方ができるのではと考えています。
山上さん:これからはデータの一元化も図っていきたいです。
Garoonやkintoneは過去データを保管する場所ではなく、アルコールチェックなど現場で使うデータをリアルタイムで管理する場所にしていきたいと考えています。データは活用しないと本来の価値を発揮しません。
また、コスト削減のためにも、なるべく別のシステムを導入するのではなくkintoneの活用を進めていきたいです。
INDEX.05 詳しい使い方
ポータル・掲示板・kintone
ポータルをカスタマイズして利用
部署に合わせて見やすくカスタマイズ
Garoon導入前に使っていたExcelの予定一覧表の見た目を引き継ぎたかったため、ポータルをカスタマイズしています。また重要会議への出欠確認をとる画面も作成しました。これをポータルに掲示することで、会議の出欠確認が簡単にできるようにしました。
掲示板でマニュアルやQ&Aを運用
添付ファイルを更新することで情報を最新に保つ
掲示板には通達やお知らせだけでなく、マニュアルやQ&Aも掲示しています。マニュアルやQ&Aの内容は添付ファイルに書いてあり、情報刷新のたびにファイルを差し替えることで最新の情報を社員に提供しています。
kintoneで社用車予約とアルコールチェックを一括管理
専用ツールを導入するコスト不要、システム乱立を防ぐ
社用車を使いたい人が、利用可能な時間帯と車種を確認し、車両の予約を行います。運転前に呼気検査を実施し、その数値と自身の顔写真をアプリに送信して申請を完了します。
予約状況の確認だけでなく、確認者として確認が必要なリストの絞り込みも用意されており、確認者にとっても使いやすい設計となっています。申請記録一覧では、チェック状況や添付写真を確認できるため、不備のある申請をすぐに判別できます。
取材日 2024/2/21
導入パートナー企業