- 業種
- 医療福祉
- 都道府県
- 愛媛県
- 利用人数
- 630名
- 形式
- クラウド版
「ふる里みたいな町づくり」を基本理念に掲げ、医療・福祉・教育事業を中心に愛媛県内で多角的な事業を展開しているアトムグループは、2000年の介護保険制度施行をきっかけにグループのIT統一化に積極的に取り組んできました。
各事業部で個別に運用されていたITシステムを集約し、ITシステム面からグループ全体を支える「アトム総合企画株式会社」の上田常務、情報システム部の曽根田部長、渡部次長とアトムグループ「医療法人順風会」システム・会計部の新田部長にお話を伺いました。
INDEX.01 導入前の課題
グループ全体のコミュニケーション基盤として
24時間365日、安心して支えるグループウェアを探していた
2014年にGaroonを導入・運用を開始したアトムグループ。Garoonの導入前は他国産メーカーのパッケージ型グループウェアをホスティングサービス上で運用していました。
「以前のグループウェアは、ホスティングの専用サーバーで使っていましたが利用年数を重ねていくにつれ、サーバーの容量不足が問題になりました。ユーザーに『(ダウンロード済みや使い終わった)データは削除するように』というアナウンスばかりをしていました。」(曽根田氏)
「年に2,3回はサーバートラブルで止まってしまい、土日サポートをしてもらえないサービスだったのも課題でした。当グループのメイン事業である、医療・福祉・教育は土日が休日とは限りません。社内のITシステムは、24時間365日安心して使えるものを選びたい・・・という思いがありました。」(渡部氏)
グループ全体の従業員数は約2,700名(約40事業所)。
異業種・多職種の集合体で、全国でも稀な企業体でもあるため、システムの統一・運用には数々の困難が立ちふさがっているとのこと。にもかかわらず、グループ全体のITシステムを支えている情報システム部門の人数は、わずか6名の精鋭部隊です。
「全従業員がITを使いこなすためには、各事業所の『IT責任者』がキーマンになります(いわゆる、情報システム部門の分身)。彼らに求めるものは、現場の業務を知り、課題を見つけ、それを解決するにはどうしたらいいか?と論理的に考え、解決方法を見つけられること。解決方法にITを使えるかどうか、を見極められることが重要です。 情報システム部門の最大の役割は、彼らを育成しながら、一緒に解決方法を考えて行くことにあります。技術革新が目覚ましいサーバーの構築や運用は、ベンダーに任せたい。我々に最善の提案ができるベンダー、安心して任せられるサービスを探していました。」(上田常務)
INDEX.02 導入の決め手
カスタマイズ不要で使い始められるパッケージの
手軽さと、稼働率に安心感のあるクラウドサービス
サポート切れのタイミングで、グループウェアの移行
「従業員のITリテラシの幅が大きいので混乱がないよう、以前のグループウェアと使い勝手は似ているものがいいと思っていました。なので、スケジュールや社内メール、掲示板、ファイル管理などのアプリケーションがあらかじめ揃った製品ということでGaroonの検討をはじめました。検証の段階で、クラウド版のGaroonのレスポンスの速さは高く評価しました。」(曽根田氏)
レスポンスの他に、クラウド版Garoonの標準機能である全文検索も評価のポイントだったそうです。
「当社では、OpenOfficeも使っているのですが、OpenOfficeで作成したドキュメントをGaroonに保存すると、中身まで検索対象にしてくれることには驚きました。」(渡部氏)
以前のグループウェアでは容量不足も課題になっていましたが、移行した2014年の時点でGaroonの容量は1ユーザーあたり3GB。全体では約2TBあったため支障なく使えるようになったそうです。さらに2015年2016年には1ユーザーあたりのユーザー数が5GB になるアップデートがあり、利用開始から4年目の現在では全体で3TB以上の容量があり「容量については全く気にしなくてよくなった」とのことです。
また、導入にあたってはサービスの稼働率にも注目。cybozu.comは、2011年のサービス開始以降、99.9%の稼働実績を残していることからも安心してお選びいただきました。
INDEX.03 導入効果
Garoonに記録する運用の定着で、
口頭による曖昧な意思疎通で発生していた
すれ違いを一掃
Garoonで主に使っているアプリケーションは「メッセージ(社内メール)」「スペース」「掲示板」「ワークフロー」。中でも、メッセージとスペースの利用頻度が高いとのこと。ふたつのアプリケーションは、どのように使い分けているのでしょうか。
「明確に運用ルールは設けていないのですが、それぞれのアプリケーションの宛先指定方法の違いと扱う情報の内容によって分けています」(曽根田氏)
「メッセージは宛先を個人名で指定して、依頼や相談のたびに新しく作成するので非定形のやり取りでよく使っています。当社では、社外とのやり取りにはGSuiteのGmailを使い、社内とのやり取りにはGaroonのメッセージを使うことで、Eメールの誤送信が発生しないようにしているので、ユーザーは社内の人にEメールを送る感覚でメッセージを使っています」(上田常務)
「スペースは『常にこのメンバーに共有しておきたい』っていうメンバーで立ち上げて、要件はディスカッションを分けています。メッセージのように宛先を毎回指定しないでいいのが楽でいいですね。日次・週次などの単位で報告フォーマットが決まっている事柄の報告場所としてもスペースを使っています。フォーマットはコピペして、報告毎にコメントが返せるところが使いやすいです。 また、健診事業の電話受付業務や、インシデントの管理等でKintoneを活用し、データの2次利用が必要な業務をデータベース化しています。これにより、各データの統計が可能となり様々な傾向が読み取れ、今後の対策を検討する上で有益な情報を得ることができています。Garoonと連携しスムーズな報連相が実現できているのは言うまでもありません。」(新田氏)
「グループウェアを使う前は口頭ベースでのやり取りが多かったんです。口頭で依頼すると、その場ではうんうんと聞いていても、実は依頼した側の意図と受けた側の理解が異なっていて、間違った対応をしてしまった、とか。一度に複数の依頼をされて、そのうち1,2個対応が漏れてしまった、とか。ちょっとしたすれ違いや、あとになって言った・言わないのやり取りになったり。そういう課題を解決するために、小さなことでもタスクが発生することは電話で済まさないように、口頭ではじまったことでもGaroonに記録することを徹底しました。記録することは手間がかかるように見えるけれど、結果的には近道。仕事の質は格段に上がっています。」(上田常務)
「Garoonに残しておくことで翌年以降の業務にも役立つし、これまでどうやって処理してきたかがすぐにわかることもメリットですね。」(新田氏)
INDEX.04 今後の展望
グループで働く誰もがITの恩恵を受けられるように。
そして、ICTによる地域とつながった健康まちづくりを目指す。
高齢化社会を迎え、行政に任せておけば全てやってくれるという時代は既に終わっている。健康づくり、介護予防、共働き社会、防火・防災など多様なテーマで、子供や障がい者、高齢者との交流が広く行えるのは、アトムグループの強みと語ります。
「当社は、異業種の集合体ではありますが、これらが有機的に結合し効果をあげる為には、各部門間での完璧な意志統一が必要不可欠です。サイボウズというツールを使いこなしてきたことで、今となってはほぼ理想形として実現し、経営に活かされていることを実感しています。
今後は更に、地域と一体となった『新たな生活モデルの実現(地域包括ケアシステム)』に、チャレンジしていきたい。 情報システム部門は、IT技術の向上と同時に、現場に関わる人たちに寄り添っていくことが重要だと考えています。」(上田常務)
「高いハードルを超えなければならないITではなくて、音声入力や手書きの自動テキスト化など、働く人に負荷をかけずにITの恩恵を受けてもらいたい。そういう環境を目指して作っていくのが仕事だと思っています。」(曽根田氏)
取材日 2018/07/01
導入パートナー企業