- 業種
- 金融・保険
- 都道府県
- 東京都
- 利用人数
- 6000名
- 形式
- クラウド版
- 導入前の利用製品
- パッケージ版 Garoon
保険ショップ「ほけんの窓口」を全国に500店舗以上展開する「ほけんの窓口グループ株式会社」(以下、「ほけんの窓口グループ」)は、保険業界の常識を塗り替えた「来店型保険ショップ」という新たな保険流通チャネルのパイオニアである。
そんな同社が、社内の情報共有基盤として活用していたパッケージ版「ガルーン」からクラウド版ガルーン「Garoon on cybozu.com」(以下「Garoon」)へ移行。選定からわずか2か月で稼働を開始した。急成長を遂げる同社は、なぜクラウド版「Garoon」を全社基盤に採用したのか。またどう活用しているのか。システム部長牧野内俊治氏、システム課長木川崇司氏にお話をお伺いした。
INDEX.01 導入前の課題
急速な規模拡大、そして
パッケージ版「ガルーン」のレスポンス悪化
1995年の創業以来、急速なスピードで成長を続ける「ほけんの窓口グループ」には顧客が自ら足を運ぶ3つの理由がある。「知識豊富な保険の専門家がアドバイスする。」「約35社の保険の中から、お客様に合った保険を提供する。」「相談は何度でも無料。」 従来の保険販売と言えば、保険外交員がオフィスや家庭に訪問し、自社の保険商品を販売する"一社専属訪問型"の保険外交が主流であった。
しかし、この伝統的な販売手法は、顧客を探すまでのハードルが高く、また自社の商品を販売するため必ずしも顧客のライフプランに合わせて提案できないケースも多かったという。そこで、ひとりひとりのライフプランをしっかりヒアリングし、顧客の目的や要望を踏まえてそれぞれに合った保険を複数社の保険商品から提案するという、新しい"来店型"の販売チャネルを確立したのが「ほけんの窓口グループ」である。自分に合った保険を選びたいという顧客ニーズを掴んだ同社の事業は年々拡大。システム部門では急速に増える店舗と本社の情報共有を強化するため、2006年よりパッケージ版「ガルーン」を導入し、規模拡大に対応してきた。しかし、活用が進む中「ガルーン」運用の問題が浮上した。
「店舗やユーザーが急速に増え、レスポンスの悪化が目立つようになりました。日々の業務連絡やスケジュール調整など、利用頻度が高いことに加え、毎月100~150人もの人員が増えるという状況で、サーバーのリソース確保が追いつかず業務に支障が出るレベルの遅延が頻発していたのです。」(牧野内氏)
INDEX.02 導入の決め手
それだけの価値がある。
今後の成長を見据えたクラウド版「Garoon」の選択
このように企業成長の過程でレスポンス問題に悩まされていた「ほけんの窓口グループ」は、柔軟にスケールアップできる基盤として、クラウド版「Garoon」へ移行することを検討。わずか2か月という短期間で6,000名規模のシステムリプレースを実施した。他の製品については情報収集をしたが、結論はすぐに出た。この理由について牧野内氏はこう語る。
「新しい製品は少なからずユーザーに負荷をかけるため、Garoon以外は選択肢にありませんでした。事業成長を緩めないためには、何よりスピードが大事だと考えているので、既に全社で定着しているガルーンを採用することが、合理的な選択でした。」(牧野内氏)
数千名規模で成長が著しく、しかも毎月のように人員が増えるとなると、日々飛び交う情報量は膨大だ。活用頻度の高いグループウェアの役割も大きい。そのツールを突然変えることは、情報を的確に届け入手する上で業務の抜け漏れにつながり、事業成長のスピードを妨げかねない。さらに運用定着までの教育は、多忙なシステム部門の負担増になる。このようなリスクを鑑みて、慣れ親しんだ「ガルーン」クラウド版の選択が有力視されたという。
ではコストの観点ではどうだろう。6,000名規模での利用を想定したところ、オンプレミス環境(パッケージ版)の継続利用のほうが、長期的な支払い総額で見ると割安になることがわかった。安いにこしたことはない。だが払う費用以上のメリットがクラウドにはあった。
「投資金額に対してそれだけの価値があるからこそ、クラウドを選びました。現在、システム部門は20名弱在籍していますが、全社6,000名規模のシステム管理、さらに毎月人員が増えていく環境下なので、効率化は常に意識しています。少人数ながらこの1年の間にも、本社引越し、基幹システムの追加開発・仮想化、店頭コンサルテーション用ソフトの再構築、E-ラーニングの導入など、対応しなければならない案件が多い状況です。このため、外部にアウトソースできる業務は可能な限り任せるという方針です。Garoonについては、課題になっていたサーバーのリソース管理を委託できるだけでなく、24時間の障害対応、バックアップ基盤、BCP対策もまるごとお任せすることができます。仮にオンプレミス環境で同様のことを行えば膨大な投資が必要であり、結局のところ、クラウドは決して高くありません。」(牧野内氏)
余計な管理コストをかけない効率性を重視しながらも、安定稼動をより確かにする信頼性を備えていた点もクラウド基盤を選んだ理由のひとつと言えるだろう。
INDEX.03 導入効果・今後の展望
店舗と本社をつなぐ
コアとなる情報基盤
クラウド版「Garoon」の採用により、メンテナンス工数を大幅に削減し、速度遅延を解消することに成功した「ほけんの窓口グループ」。スピード導入の背景には、「Garoon」を含めたIT活用が、本社と店舗間の情報共有基盤として欠かせないツールになっているためだと木川氏は語る。
「IT活用は業務の効率化だけでなく、企業理念を浸透するためにも重要なツールです。弊社は質の高いコンサルテーションを最も重視するよう、その理念を店舗にも徹底しています。新興企業で急激な拡大期にあるからこそ、理念をしっかりと全社員で共有し、コンサルテーションの質を高め続けなくては、お客様の信頼を得られません。このため、本社メンバーは対面で会うことに加え、グループウェア、テレビ会議、電話、Fax、E-mailと使えるツールはすべて活用し店舗をバックアップし、風通しの良い環境づくりに努めています。」(木川氏)
中でも「Garoon」は、店舗・本社間のスケジュール管理や、連絡・報告業務に加え、全店舗への一斉発信に最も有効だという。同社が取り扱う保険会社は約35社、保険商品は数百に上り、頻繁な規約変更などの情報を適宜告知している。さらに金融機関として遵守すべき規約、販売する上で取得すべき資格情報、保険や税制に関する情報など適正な保険販売のためにやり取りする情報の種類は多岐で大量になる。そこで可能な限り情報を「Garoon」に集約することにより、検索性を高め全国の店舗に迅速に情報を届け、顧客への的確なコンサルテーションに生かしている。
「保険代理店として、商品知識やノウハウの蓄積、コンプライアンス情報等は最も重要であり、人材の教育こそ弊社のコアコンピタンスです。Garoonは全国店舗に効率的に情報を届けるうえで、欠かせない基盤となっています。」(牧野内氏)
あらゆるITを活用し、業務を効率化しながら事業成長を継続していく「ほけんの窓口グループ」。今後も、クラウド版「Garoon」がその基盤の中心として支えていく。
取材日 2012/10/23
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