第10回 ユーザー会レポート
多店舗展開をする企業の情報共有
2013/05/23開催
今回は多店舗展開をする「サイボウズ ガルーン」ユーザー様4社にお集りいただき、本部と店舗・店舗間での情報共有や情報を埋れさせない方法をご紹介いただきました。
参加企業名 | 業種 | 導入 | ユーザー数 | 利用中の製品 |
---|---|---|---|---|
日本ケンタッキー・フライド・チキン 株式会社 |
サービス業 | 2005年 | 2150名 | ガルーン 2 |
学校法人 創志学園 | 教育 | 2010年 | 1000名 | ガルーン 3、デヂエ 8、 リモート |
株式会社 ABC | サービス業 | 2004年 | 320名 | ガルーン 3、デヂエ 8、 リモート |
株式会社 ジンコーポレーション | サービス業 | 2007年 | 580名 | Garoon |
株式会社 リペアワークス | サービス業 | 2012年 | 63名 | Garoon |
INDEX.01 はじめに
店舗との情報共有は
こうしています
◯日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社様(以下、日本KFC)の場合
全国に「ケンタッキーフライドチキン」を約1,180店舗、宅配ピザの「ピザハット」を約370店舗、ビュッフェ形式のイタリアンレストラン「ピザハット・ナチュラル」を5店舗展開しています。「ガルーン」は主に本社や各店舗の店長、副店長、店長補佐との情報共有に使用しています。また、フランチャイズ店のオーナーとの情報共有にも利用しています。
グループウェア選定の際は、現場での使い勝手を最優先に考え、店長向けにデモンストレーションをして意見を聞いたうえで、「ガルーン」に決めました。店舗での利用は、「ガルーン」で受けた情報をプリンターで印刷して事務所に掲示する、というのが一般的な使い方です。以前は各店に郵送でレターを送っていたのですが、「ガルーン」を導入したことで配信の手間やタイムラグを解消できました。
○学校法人 創志学園様の場合(以下、創志学園)
保育園、高校、通信制高校、短大、大学、専門学校など幅広く学校経営を行っています。一昨年、創志学園高等学校が史上初めて創部から1年で、それも部員が全員1年生のチームで甲子園に出場したことや、最近だとクラーク記念国際高等学校の三浦雄一郎校長が史上最年長でエベレストの登頂に成功したことが有名です。
「ガルーン」は、グループ全体で事務の効率化や情報共有を目的に導入しました。事務の効率化という面では、一定の効果が出つつあります。例えば、テレビ会議の施設予約は、頻繁に使われています。情報の共有についてはまだ課題があり、これから促進していきたいと考えています。
◯株式会社 ABC様(以下、ABC)の場合
静岡県を中心にアミューズメント施設40店舗を展開しています。「ガルーン」は、本社と店舗の情報共有に利用しています。 店舗では、バックヤードだけでパソコンを利用しているので、全員分の端末はありません。マネージャーが「ガルーン」に掲載される指示通達を印刷して、バックヤードのホワイトボードに掲示しています。
◯株式会社 ジンコーポレーション様(以下、ジンコーポレーション)の場合
脱毛専門サロン「ミュゼプラチナム」を全国・海外で約160店舗展開しています。その他、飲食店も関東中心に20店舗程持っています。「ガルーン」は本社と店舗の情報共有に利用しています。店舗では1店舗にパソコンが2~3台あり、店舗スタッフは交代で使っています。また、本部では、「スペース」を活用してプロジェクトを進めています。
◯株式会社 リペアワークス様の場合
住宅・家具などのキズ補修、塗装を行う会社です。アルミサッシ、アルミスチール製品・木製品・人工大理石・外壁・FRP・プラスチックなどの再生・補修が可能です。
今のところ多店舗での利用はしていないのですが、フランチャイズの展開を開始したので、参加させていただきました。
ポイント
店舗との情報共有
店舗では、端末数が限られているため「ガルーン」に掲載されている重要な情報は、プリントアウトして掲示するという活用方法が一般的なようです。複数の店舗スタッフが短い時間で確実に新着情報をチェックできます。
INDEX.02 活用例-1
店舗間の情報共有を
活性化する方法とは?
創志学園:営業さんの間でも成功体験を共有したがらない、ということはよくあると思うのですが、教師のノウハウが一人のものになってしまいがちです。情報共有を積極的に行って、全校で指導力向上を目指したいのですが、情報をオープンに共有するために何か工夫されていることがあれば教えてください。
ABC:"クレド"という自分で判断してよりよいサービスを提供するという取り組みを行っています。その一環で全店舗の従業員から成功体験を募集しています。成功体験を投稿するときは、フォーマットが決まった「デヂエ」に登録するようになっており、本部でピックアップして「ガルーン」のポータルに配信するという運用を行っています。形式が決まっていないと店舗間での情報交換は難しいかもしれませんが、仕組み化したことで浸透しました。
株式会社 ABC様が実践するクレドについて
サイボウズ:ジンコーポレーション様は、ノウハウを掲示板で共有しているんですよね?
ジンコーポレーション:はい、そのとおりです。また、反対にネガティブな体験も積極的に共有して、同じ失敗は他店でも繰り返さないようにしています。店舗では他店で起きたクレーム情報は必ず壁に貼りだすか、スタッフ閲覧用にファイリングするようにしています。
サイボウズ:失敗体験を公表していくことは気が進まないことだと思うのですが、積極的に報告を上げるためにどのような取り組みをしているのでしょうか。
ジンコーポレーション:トラブルは、義務として報告しなくてはいけないことになっています。小さいトラブルで判断に迷う場合は、まずエリアマネージャーに報告して指示を仰ぐというルールがあるので、全店でサービスレベルを向上することができています。
ポイント
仕組み作りで店舗間の情報共有を促進!
物理的に離れた店舗同士のコミュニケーションにも、「ガルーン」の活用は有効です。ただし、自由に情報交換をするという方法では、軌道に乗りにくいことも。情報を投稿するフォーマットや、どんなときにどんな情報をアップするかなど、ある程度仕組みづくりができていると効果的な情報共有が行えます。
INDEX.03 活用例-2
情報が増えすぎてしまったときは?
◯本部から店舗への通達の場合
ジンコーポレーション:お店のアカウントに情報を発信したときは、店舗ではそれをプリントアウトして貼っています。必ず確認してもらわなくてはいけない通達から、できたら対応して欲しいお願いまで、いろいろな連絡が混在し数が非常に多くなってきました。そのため、すべての通達を貼りだす必要があるのかどうか、店舗での判断が難しくなってきている状況です。皆さんは、本部から情報を発信するときに優先度付けなど何か工夫していくことはありますか。
日本KFC:店舗で「ガルーン」を使っているのは、店舗責任者だけです。情報を受け取ると店舗の責任者がその情報内容を確認し、必要に応じて他の店舗スタッフに伝達するとともに事務所に掲示して、情報の共有に活用しています。
ABC:最新情報にも通知を行いますが、指示・通達には「新着文書」専用のポータルを作って重要度や内容を管理者側で分類して掲示しています。この方法なら、「ガルーン」を見られる時間の中で重要な情報から先にチェックすることができます。
指示>通達>連絡>お知らせ の順に重要です。レベル分けは当社でも議論になりますが、各担当者が設定するのではなく発信する部署の管理職が重要度を決めるフローになっているので、統制がとれています。
◯店舗からの報告の場合
サイボウズ:店舗からの情報はどのように発信しているのでしょうか?情報が多くなってくると全てに目を通すのは難しくなってくるのではないでしょうか。
ジンコーポレーション:クレームや事故の報告は、マルチレポートを使って行っています。本部には、店舗から報告のあったマルチレポートをチェックして、重要度をABCで付ける担当が二名います。社長や専務が見る前に、ランク付けをすることで重要度の高いものや、対応スピードの求められるものを確実に対応することができます。
重要度がAのものはどんな忙しくても、出張中でも、移動中でも、海外出張中でも絶対に見ています。それ以外のものは、余裕があれば見ていくというようにしています。
ABC:同じようにクレームや事故の報告は、重要度を判断する担当が本部にいます。当社の場合は、「デヂエ」で報告をするようにしています。
ポイント
情報を埋もれさせないポイント
情報が増えすぎてしまったときは、優先順位付けをして活用している企業がいらっしゃいました。情報に優先度を付けるときは、例えば、"重要な情報"は全スタッフに連絡が必須、"お知らせ"は店長が必要だと判断したときに他のスタッフに伝えること、というように受け取り手と発信者の間でルール作りをすることが成功の秘訣です。
<成功する優先順位の付け方の例>
・発信する側の工夫:情報を発信する担当者ではなく、管理職が重要度を判断して掲示する
・受け取り側の工夫:店長や、副店長、マネージャーが自店のスタッフにも知っておいてもらいたい情報かを判断して伝える
・当事者以外の第三者に重要度を判断してもらう
INDEX.04 まとめ
今後の展望
ジンコーポレーション:頻繁に取引する業者を「ガルーン」に追加してほしいという要望が社内からよくありますが、重要な情報が掲載されているためほとんどのケースで対応できません。社外の取引先とのやりとりもEメールではなく、グループウェアのスペースで行うことができればさらに便利になると思います。
創志学園:確かに、社外の方とのやり取りにもグループウェアが使えると業務効率があがりますね。各学校で使う什器や備品を別会社からまとめて発注しています。その会社とはメールでやりとりをしているので、納期などは学園内で使っている進捗管理に転機する必要があり、手間がかかっています。発注した学校の担当と取りまとめの部門、別の会社の担当全員で、進捗が確認できるようになるのが理想です。
ABC:店舗修繕管理の進捗管理は、当社でもEメールと「デヂエ」の二重管理になっています。複数の業者とのやり取りができるので、必要な情報だけを見せられるようになると安心して使えます。
ポイント
社外とのコミュニケーションを円滑にしたい
今回お集まりいただいたユーザー様は、「ガルーン」の導入で情報共有を効率化できています。今後は、煩雑になりがちな社外とのコミュニケーションの効率化に課題を持っているようです。
この他にも、確実に情報が行き渡らせるため、今は店舗の社員一人ひとりに付与していない「ガルーン」のアカウントを、全員に付与することを検討したいという意見もありました。
取材日 2013/05/23
導入パートナー企業