池田模範堂を支える
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提供:サイボウズ
“ムヒ”で有名な池田模範堂の社長が明かす
株式会社 池田模範堂
代表取締役社長
池田 嘉津弘 氏
全国有数の薬の生産地である富山県で創業した医薬品メーカー、池田模範堂。同社の主力ブランドであるかゆみ・虫さされ外用薬「ムヒシリーズ」は、時代を超えて幅広い支持を得る商品だ。同社では、「ムヒシリーズ」で培われた外用薬の開発技術を生かし、ひび・あかぎれ治療薬「ヒビケア」、男性向けのデリケートエリアのかゆみ・かぶれ治療薬「デリケアエムズ」など数々の一番手商品を世に送り出している。そうした画期的な商品を生み出すための原動力となるのが、アイデアの種が潰れることなく育っていく組織のあり方だ。
※2023年5月9日~2023年6月12日に日経電子版広告特集にて掲載。掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。
1909年に家庭配置薬販売として創業。池田模範堂という社名には“社会の模範たれ”という思いが込められている。26年には、ネーミングに“天下無比、唯一無二な薬を目指す”という意志が込められた「ムヒ」の開発に成功。その後も「ムヒシリーズ」は進化を続け、現在もかゆみ・虫さされ外用薬でトップクラスのシェアを誇っている。
「ムヒシリーズ」をはじめ、薬局・薬店・ドラッグストアなどで処方箋無しに購入できる一般用医薬品(OTC)を主力商品とする同社の強みを、代表取締役社長である池田嘉津弘氏はこう語る。
「競合他社も多く、規制が厳しい製薬業界において、新たなコンセプトの医薬品を開発することは簡単ではありません。そうした業界において100年以上、かゆみ・虫さされの外用薬に特化してきた歴史の中で培われた技術・ノウハウがベースにあることは、当社の強みだと考えています」
「肌を治すチカラ」をコーポレートスローガンとして、外用薬の開発技術を生かしながら、今までにない一番手商品を生み出す開発力。これこそが、競合がひしめく製薬業界で安定した業績を生み出す原動力となっているのだ。
「潜在ニーズに対して、今までにない付加価値を持つ商品を開発することを何よりも重視しています。既にある商品のモノマネでは二番手にしかなれません。『ムヒ』のように、そのカテゴリーで一番手の商品を生み出すことで、製薬業界の活性化もしていきたいと考えています。もちろんそのためには『本当に特長があるものは何か』を考え抜かなければなりません」(池田氏)
ひび・あかぎれ治療薬「ヒビケア」、汗かぶれの治療薬「アセムヒEX」、男性向けのデリケートエリアのかゆみ止め薬「デリケアエムズ」など、一番手の商品を開発するという理念から誕生した商品は数多い。
消費者の潜在ニーズを見つけ出し、まだ市場にない商品を開発する。口で言うのは簡単だが、実現していくためにはさまざまなハードルが待ち受ける。池田模範堂が、数々の画期的な商品を市場に送り出してきた秘訣はどこにあるのだろうか。
「0から1を生み出すアイデアの種づくりは、自社だけではできません。お客様から教えてもらうことも多いですし、社員の気づきから生まれることもあります。種づくりにはある程度の仕組みが必要で、これは各社やっていることです。大事なのは、その種をどう育てるか、効率的に、よい商品へと育てられるか。これが会社組織に掲げられた課題だと思っています」(池田氏)
「かゆみ止めで耳に塗れるものはないですか?」という顧客の声から生まれた、耳などのかゆみ・皮膚炎治療薬「ムヒER」もその一例だ。「耳のかゆみで悩んでいる方をなんとか救いたい」という思いから、研究所の製剤設計グループ、・薬理グループ、マーケティンググループ、市場開発室、生産部のメンバーが結集。敏感な耳などに使える「ムヒER」が開発された。 ※ムヒER誕生秘話はこちら
「ものづくりに関わる全ての人や部署同士で信頼関係を作ることが、経営効率をあげる上で最大の武器になります。各部署がバラバラに動いていたのでは、いいものはできません。開発・製造・営業・広告、それぞれが密接にコミュニケーションをとりあって、相乗効果が生まれる組織でないと、通り一遍のものづくりで終わってしまって、大したものはできないですよ」(池田氏)
アイデアを商品という形へと変えていくために、部署間の信頼関係やコミュニケーションを重要な要素と捉える池田模範堂。これをIT(情報技術)の側面から支えてきたのが、グループウエアである。同社では15年以上にわたり、社内のコミュニケーション基盤としてサイボウズの「Garoon」を利用している。
工場ラインの作業員からバックオフィスのデスクワーカーまで全従業員が活用し、スケジュール・掲示板・メッセージ・ワークフローなどほとんどの機能を使いこなしている。その中で、情報発信とコミュニケーションの活性化という面で特徴的なのは、社内ポータルサイトの運用だ。
各部署からのお知らせやFAQ(よくある質問)をまとめた「業務用ポータル」、活動共有や社員紹介などを掲載する「社内広報ポータル」を含め、20を超えるポータルサイトを運用しながら、各部署が積極的に情報発信を進めている。
Garoonのトップページ
※サイボウズGaroon製品HPより抜粋
業務用ポータル
社内広報ポータル
※池田模範堂にて運用中のポータル画面の一部
「数百人を超える組織の場合、部署が縦割りになってしまう懸念があるものです。隣の部署が何をしているのか分からないような状況では、部署を超えたシナジーは生まれないでしょう。研究所・工場・オフィスと働く場所に物理的な距離もあるので、アナログでのコミュニケーションには時間や空間の制約があります。デジタルを併用することで、アナログの制約をカバーできます。Garoonはその役割を担ってくれています」(池田氏)
同社では、トップダウンではなく各部署にポータル運用を任せており、“みんなに見てもらえる情報発信をしよう”という意識が高まり、積極的に投稿する社員が多いという。自主的な情報発信を可能にしているのは、身の丈にあったツールを選んだことによる効果だという。Garoonはプログラミング知識が不要なノーコードでポータル画面を作成・編集することが可能。操作が容易なため、パソコン作業に慣れていない従業員でも発信できる。
「デジタルの発信のメリットは、例えば、開発中の商品の認可を待っていたとき、『国から認可がおりました!』とGaroonで発信されると、広く速く社員にいき渡り社員から喜びのコメントが届いて盛り上がることもありました。経営者としては、そういった社内の動きをタイムリーに把握できる点は便利だと感じています。社員がやりがいを持って働いている姿を見ることができます」(池田氏)
もっとも、池田模範堂ではデジタルばかりを重視しているわけではない。オンライン会議が当たり前となり、リモートワークも進む中で、リアルなコミュニケーションが減っていることに課題を感じている企業も多い。同社のようにコミュニケーションを重視する企業には、ここ数年の新型コロナウイルス禍は大きな影響をもたらしたはずだ。
そうした中で池田氏は、アナログなコミュニケーションの存在も等しく重要視している。
「ちょっとしたことでも、顔をあわせてコミュニケーションをとることによって、人と人との信頼関係は生まれてくるものだということを改めて感じています。当社には社員間で気付いたよい活動や感謝の気持ちを伝える『いいねカード』という取り組みがあり、これも、信頼関係を作るためのひとつの仕掛けです。私も年間で100枚以上書いています」
そして、デジタルとアナログの良さを相互に高め合う基盤となっているのがGaroonだ。
同社のGaroonでは、各部署の社員が仕事の報告だけでなく、個人的な感想やプライベートの話を書く人が多いという。投稿に対してリアクションする機能が搭載されており、趣味の話の方がコメントや「いいね!」のリアクションが多いという。
「やはり仕事の話だけをしていても面白くないので、人となりが見えるエピソードがあると読みたくなりますよね。この人にはこんな一面もあったのかと、Garoonがなければ一生知ることができなかった情報も得られます。仕事に直接関わりのない投稿は意味がないと思う方もいるかもしれませんが、これが他部署の人と話すきっかけになることもあります。デジタルとアナログが融合し、それぞれを補完し合う仕組みは、社員のコミュニケーションや関係性に確実に良い影響をもたらしています」(池田氏)
Garoonのポータル機能をフル活用することで、池田模範堂は社内の見える化を促進するとともに、部署の壁を越えた協力体制や信頼関係の醸成を強化している。昨今ではデジタルトランスフォーメーション(DX)が叫ばれ、生産性向上を目指す企業が多い中、池田模範堂が重要なテーマと捉えるのが、コミュニケーションの活性化だ。
池田氏は「社員が自発的に発信して意見を交換し合いながら相乗効果を生む環境は極めて重要です。必ずしも先進的なデジタル技術ではなくとも、身の丈に合った使いやすいツールを活用しながらこうした環境づくりをさらに促進していきたい」と語り、最後にこう締めくくる。
「生産性の向上や、売上高といった数字を追いかけることだけにとらわれてはいけないと思っています。当社の経営において最大の武器は、部署の連携のしやすさや、社員同士の信頼関係といった数字に現れない部分にあります。そのためには、アナログとデジタルが循環するコミュニケーションはこれからも不可欠だと考えています」