サンコール株式会社様

Notes移行の最適解として選ばれたGaroon+kintone
紙ベースの業務を刷新、保守の負担も軽減

自動車分野を中心に高度な精密塑性加工技術を用いた精密機能部品の開発から製造、販売までを手掛けているサンコール株式会社。長年利用してきたIBM Notes/Domino(以下、Notes)から、サイボウズが提供する中堅・大企業向けグループウェア「サイボウズ Garoon」および業務改善プラットフォーム「kintone」に移行。新たな情報共有基盤を整備している。Notes移行の経緯について、常務執行役員 業務管理部門長 杉村 和俊氏および同部門 情報企画課 飛田 朋宏氏にお話を伺った。

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導入前の課題

Notesはメール機能以外使いこなせておらず、費用対効果が悪いと感じていた

サンコール株式会社は、自動車のエンジンに使用される弁ばねやリングギアといった各種精密機能部品、HDDサスペンションや光コネクタなど電子情報通信分野に必要な各種部品を開発製造している。世界7か国、15の海外拠点を展開するグローバル企業として、電動化分野や医療・介護分野、環境・エネルギー分野へと新規事業開拓も行なっている。現在は中期経営計画「Global Growth Plan 21」に取り組んでおり、売上高500億円超、営業利益率6.5%を目指して成長分野への経営資源投入にも積極的だ。

そんな同社では、長年に渡って業務基盤としてNotesを利用していたが、メール機能以外は十分に活用しきれていなかったという。「Notesは豊富な機能が備わっていますが、我々にはリッチ過ぎて使いこなせていませんでした。Notes DBで3つほどのワークフローは運用していたものの、それ以外の申請は紙。スケジュールも使っていない人が多く、会議室予約システムも別のものを使っていました」と杉村氏は当時を振り返る。飛田氏も「このままNotesを使い続けるのは費用対効果が良くないのではないか」と感じていたという。

導入前の課題拡大する

そんな折、新たにNotesのバージョンアップのタイミングが訪れた。「情報をどう扱うことがビジネスに貢献するのか、情報企画課として提案を求められました。そこで、Notesをそのままバージョンアップすることも含めて、新たな情報基盤に必要な要件を検討することになったのです」と飛田氏は語る。

また杉村氏が念頭に置いていたのは、システムの内製化だった。「何かあったときにいちいち業者に頼んでいては、業務スピードが下がってしまいます。システムに修正があれば、なるべく自社内で早く対応できる環境にしたいと思っていました」と力説する。

常務執行役員 業務管理部門長
杉村 和俊氏

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導入の決め手

多言語対応とクラウド、kintoneと併用が可能な点を評価

今回の試みは、仕組みを再構築するプロジェクトではなく、既存のNotesで行ってきた業務を踏襲できるインフラ移行のプロジェクトにしたいという思いがあった飛田氏。「いずれはグループ全体で共有できる基盤も検討の1つに挙げていました。ただし、以前は工場の計画停電などでメールを一時的に停止せざるを得ない場面もあったため、できればクラウドにしたいと考えたのです」。

そこで、①Notesの業務がそのまま移行できること ②海外の拠点でも利用できること(多言語対応)③クラウドで使えることを要件に、新たな情報共有基盤を検討した。

同時に、紙をベースにした業務フローが社内に多く残っており、これらのフローを電子化して業務効率化する仕組みも必要だった。

そこで注目したのが、業務効率化に役立つkintoneだ。「我々の業務に適用できそうなテンプレートがkintoneに数多く用意されている点が魅力的でした。テンプレートをヒントに、活用の幅を広げていくことができると考えたのです」と飛田氏。サイボウズ株式会社がkintoneを使ってマイナンバー管理をしていたことも、高度なセキュリティ要求に対応できるkintoneを評価したポイントの1つだという。

さらに、飛田氏はサイボウズが提供するグループウェアのGaroonにも注目した。「Garoonにはメール機能やスケジュール機能があります。使い勝手を考えると、1つのポータル画面から全ての機能が利用できることが理想的ですし、1つのベンダでソリューションが完結できる方が透過性の面でもメリットが大きい。その意味でもGaroonとkintoneの併用が最適なのではないかと考えたのです」。

他にも、サイボウズが国産の製品である点も評価の1つに挙げている。「Office 365なども検討の1つに挙がりましたが、海外のメーカーだと何かあったときに対応してもらえるかどうか不安でした。国産のGaroonであれば、使い勝手の面でも現場に浸透しやすく、何かあっても声が掛けやすい。柔軟な対応が期待できます」と杉村氏。

コスト的にも折り合いがついたことで、最終的なNotesの移行先として、Garoonおよびkintoneが同社の新たな情報活用基盤として採用された。

業務管理部門 情報企画課
飛田 朋宏氏

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導入効果

Garoonとkintoneを意識せず利用、クラウド化で運用負担も軽減

現状は、日本で働く社員を中心に730ほどのアカウントでGaroonおよびkintoneが利用されており、違いを意識せずにアクセスできるようになっている。

例えば、kintoneで構築されたワークフローで承認依頼が発生すると、Garoonのメールに通知が行われ、メール本文のURLをクリックするとそのままkintoneにアクセスできる。

kintoneのワークフロー通知を、Garoonメールで受信拡大する

「私も含めて、Garoonとkintoneをそれぞれ意識することはありません。誰もが“サイボウズ”が動いていると思っています」とシームレスな連携について杉村氏は評価する。一部NotesDBで運用していたフローは残っているものの、これまでNotesで行ってきたほぼすべての業務が移行済みだ。

Garoonについては、メールやスケジュール、掲示板、ワークフローといった基本機能の活用が中心だ。「これまではメールにてスケジュールを調整し、別の会議室予約システムで施設予約を行なっていました。今は会議室予約とスケジュール調整が同時にできるようになり、一元化されて便利です」と杉村氏。

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掲示板については、各部署が全社に通知したい情報が掲示されており、人事異動など社報をはじめ、食堂のメニュー変更のお知らせなどさまざまな情報が一斉通知されている。

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ワークフローについては、接待を受ける際に上長から許可をもらうための接待申請をGaroonによって行っている。「以前は個別に申請の仕組みを運用していましたが、今回一本化できたことでシンプルになりました」と杉村氏。

以前NotesDBにて構築されていた品質情報の共有アプリはkintoneに移行済みだ。営業が受けた顧客からのクレーム情報をkintoneに入力し、品質保証の部門担当者がフォローする形で円滑な顧客対応が実現できている。

また、紙で運用されていた業務の効率化として旅費精算アプリが一部稼働し始めており、月末に旅費精算を行ったうえで上長や経理部門の承認を得て銀行振り込みが行われている。

Garoonとkintone双方にワークフロー機能があるが、議事録の確認といったシンプルなフローであればGaroonにて実装し、複雑なフローや勘定系に関わる部分はkintoneを活用するといった使い分けだ。

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移行プロジェクトはJBCC株式会社 京都支店が担当。クラウド環境に移行したことで、これまでオンプレミスで運用管理の手間がかかっていた部分が解消され、保守メンテナンスに関する負担やプレッシャーが軽減できたと飛田氏は評価する。

また、現状は役員など一部に限られるものの、モバイル環境にも手軽にアクセスできるようになったという。「以前のNotesと比べると、同じ環境が社外でも利用できるため使い勝手は上々です。デバイスを選ばず利用できるのはありがたい」と杉村氏は評価する。

飛田氏も「対応しているブラウザの種類やバージョンが豊富で、幅広い環境で利用できる点が魅力的です。従来はクライアント環境が変わるたびにチェックが必要でしたが、今はブラウザだけで対応できるため管理側の負担も軽減できます」と力説する。

導入後の効果拡大する

なおサイボウズ株式会社については、「導入後も現場の要望に対して開発へのエスカレーションも行うなど、真摯に対応いただいています」と、ユーザーの声に誠実に応える姿勢を高く評価している。

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今後の展望

活用に向けた啓蒙活動と組織変革の契機になると期待

今後については、まずはGaroonとkintoneをしっかりと根付かせていくための啓蒙活動を続けながら、杉村氏の念頭にある内製化に向けた取り組みも加速させていきたい考えだ。また、品質情報の共有アプリの海外拠点やkintoneによる連結決算情報の収集など、既存業務への拡張も展開していく予定となっている。

「メールとExcelを利用している業務をサイボウズの基盤で行うなど、情報収集用のポータルとしても活用していきたい」と飛田氏。例えば夜勤で働く工場の人向けに行っている紙での業務の申し送りを、サイボウズの基盤で行えるようにしたいという。他にも、コメント機能を利用して1つの情報に対して意見が出せるコミュニケーションツールとしての可能性についても期待しているという。

特に新たな基盤を整備したことで、情報企画部門の存在価値も変わってくると杉村氏は見ている。「単なるシステムのお守りではなく、情報どう扱うのか企画して、企業価値を高めるためにどう貢献するのかという性格の部署に変わりつつあります」。今回のNotes移行を、組織変革の契機にしたいと杉村氏に語っていただいた。