流通経済大学様

東日本大震災を契機に“持たないインフラ”へと舵を切る
経理面や管理面でもコストメリットの高いクラウド化を促進

流通経済一般に関する研究と教育を振興するために設立、学校法人日通学園が運営を行っている流通経済大学では、2001年に教職員及び学生向けの情報基盤としてサイボウズのソリューションを導入し、現在では職員向けの情報共有基盤としてクラウド版Garoonを利用しています。職員同士のコミュニケーション基盤として広く利用されているGaroonの利用状況について、総務部 総務課 折山 俊樹氏および総合情報センター 図書情報グループ 情報システム課 青砥 光一氏にお話を伺いました。

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導入前の課題

長年利用してきたグループウェア環境の見直しを実施

流通・物流の整備が十分でなかった1965年に、流通経済一般に関する研究と教育の振興によって専門的な人材を育成しながら、社会福祉に貢献できるゆたかな教養を持った人材を社会に送り出すことを目的に設立された学校法人日通学園 流通経済大学。経済学部経済学科のみの単科大学としてスタートした同大学も、現在では龍ケ崎と新松戸の2つのキャンパスに5学部9学科、5つの大学院研究科を擁する総合大学へと発展し、交通や流通部門はもちろん、金融、商社、公務、教育、スポーツの分野など、さまざまな分野に4万人近くの卒業生を送り出している。

同大学では、いち早く学内の情報化に取り組んできた。2001年には教職員のみならず、学生全員が活用できる情報基盤としてのポータルを構築。その後、2007年に教職員向けに特化した基盤としてグループウェアを刷新。オンプレミス環境で基盤の運用を続けてきたが、サーバーの保守切れに伴って新たな情報基盤を模索することになる。

2011年に発生した東日本震災以降、オンプレミスの環境からクラウド推進の流れが学内でも大きな潮流となっていた。「限られた職員の人的リソースを考えると、学内に機器を設置して自前で運用管理していくことは、もはや現実的ではありません。外部のサービスを利用することで、安全かつ安定した基盤を月額費用だけで活用できるほうが得策です。これから新たな基盤を作る上で、オンプレミスを選択する理由はほとんどありません」と青砥氏。

学校法人日通学園 流通経済大学 情報システム課 係長 青砥光一氏

学校法人日通学園 流通経済大学
情報システム課 係長 青砥光一氏

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導入の決め手

使い勝手を踏襲しながらクラウドへの移行を実現

学内基盤のクラウド化が大きな潮流となる中で、新たな情報基盤としてのグループウェアを検討した青砥氏。そこで目を付けたのが、既存のオンプレミス環境での使い勝手をそのままに、クラウド環境のサービスが利用できるクラウド版Garoonだった。「2001年より情報基盤としてサイボウズのソリューションを利用しており、2007年の時点でGaroonのオンプレミス版を利用してきました。以前から機能的に不満のなかったGaroonがクラウドで利用できるのであれば、現場にも使い勝手の面で負担をかけることもありません」と青砥氏は語る。

移行時に注意すべきは、現場で利用するユーザーの声だと折山氏は指摘する。「実際に利用する職員の中には、新しいものに対するアレルギーを持つ人もいるのは間違いありません。180度違う環境に刷新することは、現場の反発を招いてしまう恐れも。せっかく導入したシステムが現場で使われなければ意味がありません。だからこそ、クラウド化にかじを切りながらも、これまでの使い勝手が踏襲できる仕組みが最適だったのです」と折山氏は学内の事情を説明する。

情報システム部門からすれば、バージョンアップの手間なく長く使い続けられること、そして定期的なコストだけでメンテナンス不要な環境を求めていたという。「サブスクリプションのほうが経理的な面でもメリットがあります。オンプレミスでは、バージョンアップ時に膨大な工数が発生することもあり、タイミングによってはなかなか手が付けられないことも。クラウドなら常に最新の機能が月額費用で利用できるため、手間をかけずとも安心して運用することができます」と青砥氏。今では、可能な限り自前では開発しない前提で、SaaSが第一優先、そしてIaaS、そしてデータセンターでのハウジングといった3段階でシステムを検討していくという。その意味でも、これまでの使い勝手を踏襲したままSaaSが利用できるクラウド版Garoonは同大学にとって最良の選択肢だったわけだ。

学校法人日通学園 流通経済大学 総務部 総務課 折山俊樹氏

学校法人日通学園 流通経済大学
総務部 総務課 折山俊樹氏

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導入効果

学内情報化へのきっかけとなったサイボウズを評価

現在は150名ほどいる全職員における業務連絡の基盤としてクラウド版Garoonを利用しており、職員同士で行うやり取りに最適なメッセージ機能や職員全員に通知する際の掲示板機能、スレッドごとに業務を紐づけてナレッジのベースとして活用するスペース機能などが主に使われている。「情報部門では、例えば学内Q&Aのスペースをたてて、“Wi-Fiにつながらない場合”といったスレッドをスペース内に作っています。そこにトラブルも含めた過去のやり取りがナレッジとして蓄積されているため、困った際にはそこのスレッドを参考にしてもらっています」と青砥氏。

<スペースで学内の情報システムに関するFAQ を運用している>

他にも、人事の休暇届や出張届などの各種申請フォーマットや内線表などの情報がファイル管理機能にて整理されており、必要に応じて情報が取り出しやすくなっている。なお、学生や教員向けの教務用のポータルは別の専用システムが用いられており、Garoonポータルには教員専用の掲示板や施設予約に関する閲覧機能だけが利用されている。

セキュリティの観点から、従来のオンプレミス環境では外部からのアクセスにSSL-VPNを用いていたが、クラウド版Garoonに移行したことで特別な操作なく安全に外部アクセスが可能になっている。「学外からアクセスが容易になった点は使い勝手の面で大きい」と青砥氏は評価する。また2つのキャンパスにそれぞれ組織が分散しているものの、離れた拠点であっても情報共有しやすく、サービスレベルが一定に保てることも評価の1つに挙げている。「龍ケ崎と新松戸2つのキャンパスの担当者同士が頻繁に集まることは難しい状況にあるものの、場所に関わらず同様のレベルで仕事が可能な環境づくりが求められています。そのための情報基盤としての機能がGaroonには十分に備わっています」と折山氏も評価する。

学内に展開する多くの仕組みが学術系に特化したものが多いなかで、Garoonは民間企業だけでなく自治体や教育などの業種でも実績のある汎用的なツール。「学術系に特化したものは、それほど頻繁にバージョンアップが行われないことが多いですが、クラウド版Garoonは、月単位で定期的にメンテナンスやバージョンアップが行われており、安心して利用できる」と青砥氏は汎用的なツールが利用できるメリットについて力説する。
サイボウズのソリューションを利用したことの最大の効果は、情報化への第一歩を踏み出す、大きなきっかけとなったことだと青砥氏は振り返る。「学内全員が利用できる業務基盤としてサイボウズのソリューションがあったおかげで、2001年という早い時期から学内における情報化に取り組むことができました。その大きなきっかけを作ってくれたことに感謝しています」

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今後の展望

Garoonの拡張性を生かしワークフローとの連携を目指す

現在は、職員向けの業務連絡ツールとして主に活用されているが、まだ十分に使いこなしていない機能もたくさん備わっているため、少しでも業務に役立てていけるよう職員に対して啓蒙を続けていきたいという。「総務全体のスケジュール管理やメールなどに利用されているG Suite側の情報と連携し、メインで使っているGaroon側のスケジュールと連携したいなど、さらに使い勝手を高めていきたい。他の職員にも活用例を示していくことで、向こうから要望が出るような環境に持っていきたいと考えています」と折山氏は今後に期待する。
また、直近ではGaroonの拡張性を最大限生かすべく、新たにワークフローツールを導入し、Garoonから直接ワークフロー連携できるような仕組みが検討されている。「本来ならGaroonが持つワークフローを使いたいところですが、従来の紙での運用に近い形で運用できるソリューションを検討しています。高い拡張性を持つGaroonの特性を生かし、Garoonのポータルからシンプルに連携して申請や承認、回覧中の状況が把握できる形にしていきたい」と折山氏に今後について語っていただいた。

2017年に新築された龍ケ崎キャンパス図書館にて
左は、同大学へのGaroon導入を支援したリコージャパン株式会社藤岡氏