白鶴酒造株式会社様

モバイル活用で全社営業改革、大幅なコスト削減を達成
〜企業競争力を加速させるグループウェア活用とは〜

「まる」「大吟醸」「山田錦」など日本有数の清酒の醸造・販売を通して酒造りひとすじに歩み続ける白鶴酒造株式会社様(以下、白鶴酒造)は、酒造文化の継承者として、その品質を守り続けている酒造メーカー。最近では、醸造だけではなく良質な酒米の確保のため自ら農業事業に進出、原料となる独自の酒米「白鶴錦」を開発するなど「本物のお酒」を守り続ける取り組みにも積極的だ。
そんな伝統を重んじながら、新たな取り組みを続ける同社が、IT技術を活用した業務効率化を推進するために、長年利用し続けてきたグループウェアをリプレイス。「サイボウズ ガルーン 4」(以下「ガルーン」)と「サイボウズ デヂエ」(以下「デヂエ」)を導入した。今回、その狙いや導入効果について、生産本部部長松永將義氏、情報システム室室長田辺謙一郎氏、同主任勝部一郎氏に話を伺った。

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導入前の課題

拠点間の情報共有の強化と、営業活動の効率化を推進するため部門横断プロジェクトを発足

日本有数の酒蔵が軒を連ねる、兵庫県の灘に本社を持つ白鶴酒造。その販売支店は全国各地に及び、各支店がカバーするエリアは地方拠点ほど広い。そのため、営業メンバーは1週間近く事務所を空けるような出張もあるという。また、外出が多いメンバー同士でのやり取りは電話がメインで、日々の報告は出張から戻ってから対応するため、本社や支店の管理職のメンバーは部下の活動の把握に時間がかかる傾向にあった。これらの課題を解消し、事業活動の効率性を高めるには、スピーディーで効率的な情報共有の整備が求められる。2012年、白鶴酒造ではこれら拠点間のコミュニケーション強化に向けて、部門横断した複数メンバーからなる「IT推進委員会」のプロジェクトを発足。大きく下記2点に取り組むことを決めた。

(1)本社と支店の情報共有を強化するためのTV会議システムの導入

(2)業務効率化とペーパーレス化の推進のため、外出先からも業務に取り組めるIT環境の整備

「IT基盤の強化により、本社と拠点間のコミュニケーションにかかるコスト削減を目指し計画を立てました。具体的には、TV会議システムの導入、そして当時、紙で運用されていた営業日報をはじめとする各種申請業務のペーパーレス化を進めること。さらに、移動の多い営業担当者がスケジュール管理や施設予約等をタブレット端末やスマートフォンによって、外出先からでも操作・閲覧できるようにすることです。これらの実現に向けて、既存システムを見直すことにしました。」(田辺氏)

情報システム室 室長 田辺氏

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導入の決め手

快適に使える機能性と、全社への「啓蒙のしやすさ」が決め手に

リプレイス検討に際しては、「ガルーン」のほか既存グループウェア「サイボウズ Office」のバージョアアップ版、「Office365」「Google Apps」「デスクネッツ」らもその候補として情報収集を進めたという。数多くの製品を検証した結果「ガルーン」と「デヂエ」を採用した経緯について松永氏はこう語る。

「選定においては、コスト面でのメリットはもちろんモバイルやワークフローの機能要件を満たしている点と、ユーザインターフェース(UI)が親しみやすいという点を評価しました。業務効率化を推進するためには、現在だけではなく将来的にも業務に対応できる基盤が必要です。『サイボウズ Office』のバージョンアップ版も検討したのですが、約530名の全社規模で快適な利用ができ、ワークフローの承認ルートの考え方など柔軟性がある運用ができることから『ガルーン』への切り替えが適切だと考えました。また、見た目は使い慣れた『サイボウズ Office』のユーザーインターフェースを踏襲しており、ユーザーにも馴染みがあるため『啓蒙のしやすさ』も決め手のひとつとなりました。どんなに優れた機能を備えていても利用者に使ってもらえないままでは、目的を実現させることができませんから、使い勝手は最も重視すべきポイントでした。」(松永氏)

こうした考え方は製品選定のみならず本運用スタートに至るまで十分配慮され、全社導入の前に、比較的小規模で導入効果が期待できIT推進に積極的な支店からテスト運用を開始する手順が踏まれた。実際、岡山を拠点とし中国・四国地方全域をそのカバーエリアとする中四国支店でテスト運用を始め、高評価を得ることができたためにスムーズに全社展開を成功させることができたという。

生産本部 部長 松永氏

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導入効果

モバイル活用で、経費を大幅削減。スピーディーかつ、効率的な営業活動ができる体制へ

「ガルーン」の本格運用がスタートし、PCやスマートフォンで社外からも業務に取り組める環境が整ったことにより、業務の大幅効率化につながっている。


スケジュール画面イメージ
(スマートフォン用表示)

「営業メンバーはオフィスに戻らなくても業務の確認ができ、営業日報が書ける環境が整いました。隙間時間も有効活用できるようになったことで、残業時間の削減効果も出ています。多忙な管理職メンバーも、部下の活動を日次で把握できるようになり、グループウェア上からスピーディーに指示を出せるようになったので、営業効率は格段に向上したと感じます。また、これまで紙に記載していた情報がWeb上に蓄積されるため、他支店の活動も共有できる仕組みとなりました。以前は、全国網の卸店から弊社他支店のキャンペーン情報を知るといったことも発生していましたが、今では支店間で情報共有されています。更に、日報情報を検索できるようになったおかげで、蓄積された情報をタイムリーに活用できるようになり、成功事例を他支店に展開しやすくなるなど販売強化にもつながっています。」(松永氏)

これら営業活動の効率化は、これまでかかっていた移動にかかる交通費、通話にかかる通信費、残業にかかる人件費など活動にかかる経費の大幅な削減にも貢献している。また、生産ラインを持つ同社が毎年受けているISO審査においてもCo2排出量の削減効果も認められるまでになっており、導入コストを上回る大きな成果につながっている。

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    ログイン画面
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    掲示板アプリケーション
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    画面のフルブラウザー表示に切り替えも可能
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営業日報・農業日誌もスマートフォン経由で閲覧・入力が可能

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日報運用イメージ

また、「ガルーン」の導入は、営業活動のみならず、全社部門の業務改善にも大きく貢献している。

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TOP画面には利用頻度の高いスケジュール・施設予約・掲示板などの情報が並ぶ。

「例えば、日報報告を応用して独自の酒米『白鶴錦』を生産する農業法人『白鶴ファーム』での生産記録にも活用しています。また、『スペース』機能の活用も広がっており、複数の部門のメンバーが参加するプロジェクトを進めています。IT推進委員会もそうですし、売れ筋商品情報を共有し生産ラインの調整・検討を行う等、定型業務ではない新たな企画を進める場合などにも有効活用しています。」(松永氏)

システム管理面でも「ガルーン」の導入によりメンテナンス業務の負担も大幅に削減されたという。

「例年、4月に集中する人事異動時の設定が業務量的に多く、情報システムの悩みのタネの一つでしたが、今年は『ガルーン』の組織の事前設定機能によって予め設定できるようになり、異動当日の業務を大幅に減らすことができました。年度が変わるタイミングは準備することも多いので、大変助かりましたね。予め作業ができることは『サイボウズ Office』と比較しても効率的に運用できるようになったポイントのひとつです。」(勝部氏)

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スペース運用イメージ

情報システム室 勝部氏

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今後の展望

「ガルーン」を全社の情報基盤の中心に集約し、一層の効率化を目指す

スムーズな全社展開を目指すフェーズから、順調に活用範囲を広げ、業務改善・効率化を進める白鶴酒造。「ガルーン」の活用をさらに広げ、より幅広い業務に展開していくことがこれからの目標だという。

「今後は、ワークフローの利用用途の拡大を目指しています。現状は、情報システム部内での利用が中心で、比較的シンプルな業務のみ電子化されている状況なのですが、今後は、部門間の通達や会議準備といった部門間をまたがる業務まで拡大を予定しています。また、イントラ内の全社向けポータルも統合し、『ガルーン』内にすべての情報を集約する構想を進めたいと考えています。」(田辺氏)

事業においては日本の酒造りの伝統を守り続ける老舗酒造メーカーである白鶴酒造。ITを活用する攻めの姿勢で従来の業務を革新する取り組みは非常に興味深く、今後の展開に大いに注目したい。

本社 白鶴資料館前にて